
忘れられた日本人 (岩波文庫)
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書籍情報
- 著者:
- ページ数:
-
334ページ
- 参照数:
- 114回
- 登録日:
- 2011/10/04
- 更新日:
- 2011/10/04
- 所有者:
-
H. Tarkunさん
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この人はホントすごいなーと改めて思うのです。
幕末から戦後にかけての村々の様子を伝えている農村の方々を訪ね歩くというフィールドワークに一生を捧げたかたの記した本。その内容は非常に興味深く、示唆に富んでいるのです。
・寄り合いによって村の決めごとが為されたり。
・仲間の中から嘲笑の対象を作り出すとともに、自分たちの戒めとしたり。
・田植えのときには女性陣の間で自然に猥談が為されていたり。
・夜ばいもまた公然と行われていたり
・カッタイ病(ライ病)にかかった盗賊が子供の生き肝を食べたり。
・シライ(彼岸花)を餅にしたシライモチを栄養摂取のためではなく腹を持たせるためだけに食べたり。
にしても、考え方も非常に素朴というか、悪い意味ではなく、本当に純粋に好きなもの嫌いなものがはっきりしているというか、今っていらんものが氾濫しすぎているのかもしれませんね。
漁師さんのこの言葉を読んで、ホント人間てシンプルが一番なんだなーと思った訳です。
「そねえなタイを一日に十枚も釣って見なされ、たいがいにゃええ気持ちになる。晩にゃ一杯飲まにゃァならんちう気にもなりまさい。そういう時にゃァ金もうけのことなんど考えやァせん。ただ魚を釣るのがおもしろうて、世の中の人がなぜみな漁師にならぬのかと不思議でたまらんほどじゃった。」
あと、この方のインタビューの最後に言った言葉も重いです。
「はァ、おもしろいこともかなしいこともえっとありましたわい。しかし能も何もない人間じゃけに、おもしろいということも漁のおもしろみぐらいのもの、かなしみというても、家内に不幸のあったとき位で、まァばァさんと五十年も一緒にくらせたのは何よりのしあわせでごいした。」
くわー、なんて素敵な人生なんでしょう。

19840516第1刷発行
20030515第46刷発行
岩波書店
岩波文庫青146-1
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