
サイコパス (文春新書)
この本の所有者
内容紹介

AIが見つけた似た本
「サイコパス (文春新書)」の文章スタイル、テーマ、内容を分析し、 類似度の高い本を10冊見つけました
きよしこ (新潮文庫)
重松 清
少年は、ひとりぼっちだった。名前はきよし。どこにでもいる少年。転校生。言いたいことがいつも言えずに、悔しかった。思ったことを何でも話せる友だちが欲しかった。そんな友だちは夢の中の世界にしかいないことを...
青年のための読書クラブ
桜庭 一樹
東京・山の手の伝統あるお嬢様学校、聖マリアナ学園。校内の異端者(アウトロー)だけが集う「読書クラブ」には、長きにわたって語り継がれる秘密の“クラブ誌”があった。そこには学園史上抹消された数々の珍事件が...
コミュニケーション力 (岩波新書)
斎藤 孝
豊かな会話、クリエイティブな議論は、どのようにして成り立つのか。話の流れをつかむ「文脈力」や基盤としての身体の重要性を強調しつつ、生きいきとしたコミュニケーションの可能性を考える。メモとマッピング、頷...
新訂 徒然草 (岩波文庫)
西尾 実
『徒然草』の面白さはモンテーニュの『エセー』に似ている。そしてその味わいは簡潔で的確だ。一見無造作に書かれているが、いずれも人生の達人による達意の文章と呼ぶに足る。時の流れに耐えて連綿と読みつがれてき...

様々な研究例を紹介しながら、サイコパスを多面的な理解しようとした本作品は、ともすれば難解になりがちな脳科学がわかりやすい言葉で語られており、理解しやすい。サイコパスと言えば織田信長など、かなり突出した人物を想起させるが、意外にもそこそこの割合で身の廻りに存在すること、そのあり様も様々であることが驚きだ。著者は、そんなサイコパス達との共存を説くが、普通の感覚では感じるはずのことを感じない彼等と、本当に共存なんて可能なのだろうか。
およそ100人に1人の割合でサイコパスは存在するという帯に惹かれて手に取った。サイコパスは快感や喜び、不安、恐怖といった情動を司る扁桃体の活動が低いということと長期的な視野に立って計算したり、様々な衝動にブレーキをかけている前頭前皮質の結びつきが弱いというように脳科学の面から解説されていて納得がいった。必ずしも凶悪犯とは限らず社会的地位が高い人もいる。むしろ人類という種の繁栄には必要だったという。共存せざるを得ないサイコパスを知っておくために読んでよかった。

20161120第1刷発行
20170315第10刷発行
文藝春秋
文春新書1094
Amazon新刊
20170728入手
¥780 税
定価税込