メニュー
チーズと塩と豆と (集英社文庫)

チーズと塩と豆と (集英社文庫)

この本の所有者

(3.0)
6人が登録
231回参照
2015年8月22日に更新

書籍情報

ページ数:
193ページ
参照数:
231回
登録日:
2015/08/15
更新日:
2015/08/22

この本を共有する

📝 レビュー (とくこさんのレビュー)

評価:
3/5
レビュー:
女性作家4人による、ヨーロッパの食をキーワードにした短編集。
表紙とタイトルの印象に反して、中々塩気の効いている印象。
食というのは命を連想させるのか、田舎というのがそうさせるのか、死と反発、というのが共通で流れているなと。
様々な想いや経緯を経ながら、みんな最後に帰るべき場所に帰っていって、そこには一皿がある。そんな感じ。

「神様の庭」と「ブレノワール」は沁みる。
そして江國香織がすき。

読書履歴

2015/08/22 193ページ
2015/08/22 185ページ 平泳ぎのできないマヌエルはクロールで、クロールのできない僕は平泳ぎで泳ぐ。
2015/08/22 174ページ いまここにいるのに、いまここではない場所や時間のことを考えているマヌエルが、僕を余計孤独にした。
2015/08/22 152ページ それでも、僕たちはすこしずつ互いの存在を認め、必要とし、いつのまにか、なくてはならない近しい者同士になった。
2015/08/21 108ページ 「胃袋の中身が変わらないから頭の中身も変わらないんだ」
2015/08/16 78ページ もっと高さのさる杭を使って柵を作り直さなければならない、という事実を認めて私は呆然とする。その作業を自分がやるだろうということ、できるということにも。「僕がいなくなってもアリダがやっていけるように準備しておかないと」というのはカルロの口癖だった。そのために彼が骨を折った中には、「自分ができることを私もできるようになるように教える」のいうことも入っていた。でも彼がそうしたのは私への愛からだったのだろうか?私をこの場所に縛りつけておこうとすることが愛だろうか?私に彼を忘れさせまいとすることが?
2015/08/15 46ページ 取り分けようと手をのばすが、彼は皿を渡そうとしない。「これから別れようという話を、和気藹々とメシ食いながらすればいいの?」彼の顔からようやく笑顔が消える。笑顔にはいらだちと失望が隠されていたことを、ようやく私は知る。「最後の晩餐になるかもしれないじゃない」わたしはすがるような気持ちで言う。和気藹々と話そうとしてどこがいけない?最後の時間の記憶が幸福な食事の光景じゃ、なぜいけない?
2015/08/15 43ページ 解決を待つあいだに、不正を暴くあいだに、空腹で人は死ぬのだ。一年後、五年後、すべての未来は、今日という日を乗り越えなければ永遠にやってこないのだ。憂うなら、未来ではなく今日、今なのだ。
2015/08/15 36ページ 「こういうとき、思うんだよ。ああ、あの日、あいつらが食いたいものをたらふく食えて、よかったって」
2015/08/15 33ページ でも、そこまでして、それでどうなるの。わたしは思った。一生その人たちに食事を提供し続けるわけにはいかない。いのちを危険にさらしながらある時期そこに逗留して、あたたかい食事を平等に配って、でもいつかは引き揚げる。そのあとで彼らはどうなるの。また飢えるわけ?だったら、なんの解決にもならないじゃない。

ログインが必要です

この本をレビューしたり、読書進捗を記録するにはログインが必要です。

ログイン

AIが見つけた似た本

「チーズと塩と豆と (集英社文庫)」の文章スタイル、テーマ、内容を分析し、 類似度の高い本を10冊見つけました

56.2%
三色ボールペンで読む日本語 (角川文庫)

三色ボールペンで読む日本語 (角川文庫)

斎藤 孝

青で「まあ大事」、赤で「すごく大事」、緑で「おもしろい」。三色ボールペンで色分けしながら文章に向き合うことは、シンプル且つ誰にでもできる読書法。最も簡単な、脳を鍛えるトレーニングツールだ。カチカチとボ...

3人 4
55.2%
新訂 徒然草 (岩波文庫)

新訂 徒然草 (岩波文庫)

西尾 実

『徒然草』の面白さはモンテーニュの『エセー』に似ている。そしてその味わいは簡潔で的確だ。一見無造作に書かれているが、いずれも人生の達人による達意の文章と呼ぶに足る。時の流れに耐えて連綿と読みつがれてき...

9人 4
55%
6ステイン (講談社文庫 ふ 59-9)

6ステイン (講談社文庫 ふ 59-9)

福井 晴敏

愛する男を待ち続ける女、隠居した天才的スリ、タクシー運転手として働きながら機が満ちるのを待った工作員。心に傷を持ちながら、独り誇りを抱き続けた者たちの消せない染み。あきらめることを知らない6つの魂が、...

6人 4
54.9%
狼と香辛料 (電撃文庫)

狼と香辛料 (電撃文庫)

支倉 凍砂

行商人ロレンスは、麦の束に埋もれ馬車の荷台で眠る少女を見つける。少女は狼の耳と尻尾を有した美しい娘で、自らを豊作を司る神ホロと名乗った。「わっちは神と呼ばれていたがよ。わっちゃあホロ以外の何者でもない...

33人 3.7
53.1%
川の深さは (講談社文庫)

川の深さは (講談社文庫)

福井 晴敏

「彼女を守る。それがおれの任務だ」傷だらけで、追手から逃げ延びてきた少年。彼の中に忘れていた熱いたぎりを見た元警官は、少年を匿い、底なしの川に引き込まれてゆく。やがて浮かび上がる敵の正体。風化しかけた...

17人 3.7
52.2%
紅 (集英社スーパーダッシュ文庫)

紅 (集英社スーパーダッシュ文庫)

片山 憲太郎

揉め事処理屋を営む高校生・紅真九郎のもとに、とある少女を守るという依頼が舞い込んできた。少女の名は、九鳳院紫。世界屈指の大財閥の御令嬢。詳しい事情を聞かされぬまま、真九郎は紫との共同生活を開始。彼女の...

6人 5
52.2%
狼と香辛料〈3〉 (電撃文庫)

狼と香辛料〈3〉 (電撃文庫)

支倉 凍砂

教会都市リュビンハイゲンを出立した行商人ロレンスと狼神ホロ。行商がてらホロの故郷ヨイツの情報を集めるため、冬の大市と祭りで賑わう町クメルスンにやってきた。そこで二人は、若い魚商人アマーティと出会う。ど...

23人 5
52.2%
企画書は1行 (光文社新書)

企画書は1行 (光文社新書)

野地 秩嘉

できる限り短く。本当にやりたいことを書く。その一点に思いを込める。

3人 3.5
とくこ
とくこ Lv.30

女性作家4人による、ヨーロッパの食をキーワードにした短編集。
表紙とタイトルの印象に反して、中々塩気の効いている印象。
食というのは命を連想させるのか、田舎というのがそうさせるのか、死と反発、というのが共通で流れているなと。
様々な想いや経緯を経ながら、みんな最後に帰るべき場所に帰っていって、そこには一皿がある。そんな感じ。

「神様の庭」と「ブレノワール」は沁みる。
そして江國香織がすき。

グローバル検索

ReadNest全体から本やレビューを検索します