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薬指の標本 (新潮文庫)

薬指の標本 (新潮文庫)

小川 洋子

この本の所有者

28人が登録
72回参照
2013年6月29日に更新

書籍情報

ページ数:
185ページ
参照数:
72回
更新日:
2013/06/29

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📝 レビュー (とくこさんのレビュー)

評価:
4/5
レビュー:
「気持ち悪い」と聞いていたけど、想像していた「気持ち悪い」とは違ってた。
文章はとても静かで淡々としていてたまに挟む異常な神経質な描写がすごく病的。潔癖。
それでもなんだか引き込まれて読み進めてしまうから私は小川洋子が嫌いじゃないのかもしれない。

「薬指の標本」は精神的なSMだと思った。
弟子丸氏も主人公も静かに狂っている。
あまりにも静かに狂っているからうっかり何がおかしいのかわからなくなりそうになる。
そっと当たり前のことのように書かれた一文にえ、となったり。

ふたりの関係はぴんと張り詰めた糸みたいで、少しでも力加減を変えると切れてしまいそう。

個人的に「六角形の小部屋」の方がこわかった。
読んでてこの話はどこにいくんだろう、と思っていたのだけど主人公と婦人が重なった瞬間はぞっとした。
けれどそのことに本文で一切触れない。それが余計に…。

牽引治療が拷問具な所は一番気持ち悪かった。

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