
新装版 虚無への供物(下) (講談社文庫)
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デビュー作にその後のすべての要素が詰まってると言う点で「姑獲鳥の夏」に受け継がれるものがある。やっぱりこれはアンチミステリ。ミステリのお約束通りに考え、動く登場人物たちはどこか滑稽で結局は「事実は小説より奇なり」的な結末。しかし根本的なテーマは軽薄なおちゃらけなどではなく今の時代でも十分通用する。

日本探偵小説三大奇書の一つ。とはいえ「奇書」と言われるような読みにくさはなく、どんどん読み進められた。この本が三大奇書として名を馳せているのは、あらゆる場所で語られるように、「アンチミステリ」の精神だろう。事件と連なって発生した大火事やその他悪意の感じられる事件。全ては事故なのに探偵が存在するがゆえに事件として捉えられる。探偵の存在が事件を誇張させていく様に感じさせるこの主張ははミステリに対して挑戦的で懐疑的だ。それでありながら推理小説としての素晴らしさを併せ持っているからこその三大書なのだろう。奇書であるとは僕は感じなかった、この点はいろんな人の意見を聞き議論したい。
