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きいろいゾウ (小学館文庫 に 17-3)

きいろいゾウ (小学館文庫 に 17-3)

西 加奈子

この本の所有者

30人が登録
137回参照
2008年7月17日に更新

書籍情報

ページ数:
488ページ
参照数:
137回
登録日:
2008/05/02
更新日:
2008/07/17

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内容紹介

夫の名は武辜歩、妻の名は妻利愛子。お互いを「ムコさん」「ツマ」と呼び合う都会の若夫婦が、田舎にやってきたところから物語は始まる。背中に大きな鳥のタトゥーがある売れない小説家のムコは、周囲の生き物(犬、蜘蛛、鳥、花、木など)の声が聞こえてしまう過剰なエネルギーに溢れた明るいツマをやさしく見守っていた。夏から始まった二人の話は、ゆっくりと進んでいくが、ある冬の日、ムコはツマを残して東京へと向かう。それは、背中の大きな鳥に纏わるある出来事に導かれてのものだった―。
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📝 レビュー (ぼんぼんさんのレビュー)

評価:
3/5
レビュー:
田舎に暮らす若夫婦と、若夫婦を取り巻く人たちの行きて帰りし物語。
ツマはかわいいし、ムコは優しさと器の大きさを持っているし、主人公の二人ともに好感を持ちました。
そして主人公以上にアレチさんの話、グッナイベイビーの酔っ払いのおっさんのエピソードは泣けたなぁ。
 
前半部分は、少しずつ影の存在を匂わせつつもほのぼのモードが強かったので、なんだか天然コケッコーっぽい雰囲気だなぁと感じていました。
後半になって、少しずつ過去のことが明らかになって、ツマとムコの内面に迫る描写が多くなっていくのだけれど、ここでなんとなくどこかで読んだ事があるような恋愛小説に落ち着いてしまったのが少し残念・・・。
思弁的というか、自分の思いをうまく言葉に出来なくて持て余したり、それゆえに相手とすれ違ったり、暴走してしまったり。わたしはそんな人物にこそ一番切なさや愛着を感じるのだけれど、この主人公のツマには、愛着と、ちょっとだけ反発も感じました。ムコの昔の恋人にも。
上手く言えないけれども、持て余してる自分を支えてくれる愛する人に丸ごと預けてしまう人よりも、ぎりぎりでふんばって最後の意地で自分の足で立っている人の方が好き。
あなたがいなければ何も出来ない。という思いも情熱的で小説には必要な要素なのだろうけれど、自分には合わないな、ということです。
でもそこが一番の主題ではないし(クライマックスには違いないけれど)、全体的にほわほわとあたたかな雰囲気はすごく好きでした。
読むの楽しかったです。この小説。ムコさんみたいな人いいわぁ。
 
あ、あとムコ&ツマ家の食卓に並ぶ簡素だけど自然にかなった食事がやけに美味しそうだなぁと感じました。モッツァレラ・ばか食べたい~。

読書履歴

2008/07/17 488ページ
2008/07/16 291ページ
2008/07/15 224ページ
2008/07/14 187ページ
2008/07/14 135ページ つかみどころのない?ふわふわした物語。いまのところ。

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