
世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド〈上〉 (新潮文庫)
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最高

上下あり

私は「海辺のカフカ」を読んで以降、村上春樹の作品は避けていた。なぜなら、主人公の気取った態度や性格、そこから発生する内容のない気障な会話、そして思考。加えて、必要なのかどうか判明しない長文の性描写や、珍しい酒や古い映画に対する知識のひけらかしとしか取れない薀蓄の嵐。彼の作品はこうした、どうも私に合わない要素が盛り沢山で作られているためである。
しかし、本書は違う。
上記の要素が全くないとは言えない。少なからずあるだろう。しかしくどくない。目立たない。
だからすんなりと物語そのものを楽しむことができる。
本書は「ハードボイルドワンダーランド」と「世界の終り」という2つの世界を舞台として交互に物語は進んでいく。
どちらの世界においても主人公は極めて控えめで、決して気障ではない。「ハードボイルドワンダーランド」の方は少し格好付けな面もあるが、少し脅されるとすんなり従ったりと自身の感情に率直で正直だ。
だから私としては好きである。
他の登場人物に関しても、鼻につくような奴はいない。悪者は悪を全うしているし、変わり者はその域を出ていない。
さらに、物語としても読みやすい。
2つの世界の話が交互に展開されるため少し思い出す作業が必要だが、夢のような世界観がそれを苦にさせず続きにわくわくする。
上巻ということでまだ多くの謎が解決されないままであるため、早く下巻に移りたい。
ハードボイルドワンダーランドは世界の終焉を免れることができるのか。
2つの世界の時系列は。
頭骨に古い夢を入れるのは何故か。
そもそも古い夢とはなんなのか。
ペーパークリップにはどんな意味があるのか。
HWの主人公が世界の存続におけるキィである理由は。
2つの世界を繋ぐ一角獣にはどんな意味が。

2013/07/19














































