
閉鎖病棟 (新潮文庫)
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初めて読んだ時は、自分の知らなかった世界に衝撃が大きすぎて、登場人物たちを受け入れる事で精一杯だったのだけれど、今回はじっくり腰を据えて読むことができました。
繕わない、生身の人間の叫びが・・・。受け止めるのは重かった。
最初チュウさんの島崎さんに対する気持ちが恋心としか思えなくて、なんとも違和感があって受け入れ難かったのだけれど、そうじゃなくて島崎さんはチュウさんたちにとっての希望の光だったのかな・・と読み終えた今は感じています。
島崎さん。仲間。帰る場所。家族。思い出。厳しい現実の中で、さまざまな希望の光が描かれていて、その光のためにみんなが戦ったり耐えたりしながら生きてて、そんな毎日こそが守るべきもの=人間の尊厳なのかな、と思いました。
の反面、精神病患者に対する世間の無理解も随所に描かれているのだけれど、そんな無理解に晒されているチュウさんたち自身が、同じ入院患者の重宗を「クズ」と切り捨て、まるで怪物扱いする様に強烈な皮肉を感じました。
理解できない存在だから怖い、怖いから遠巻きに蔑むことで「自分とは違う人間なんだ」と思い込もうとする。それはもう、どうにもならない人間の性なのか。
んー・・・こういうこと込みで受け止めなきゃいけないのか。重いな。
チュウさんが里帰りした場面と、演芸会の劇は泣けました。
いつの時代も、いくつになっても、母の愛は偉大ですな。。

筆者はテレビ局勤務を経て、医学部を志し海外留学の経験を持つ精神科医。異色だ。精神科という社会から隔絶された環境;閉鎖病棟の中で、生き続ける患者達。その描写はとてもリアルで、筆者の経験ゆえのものだろう。


2012年 29冊目読了。◎
公正なものの見方を教えてくれる。
何者でもない骸骨にしないために…。


精神病院で起きるさまざまな出来事を入院している主人公の目から描いた作品。
登場人物の背景も丁寧に描かれており感情移入してしまいました。物語の起伏も絶妙でそれなりのボリュームにも関わらず後半は一気読み。














