
プラ・バロック (光文社文庫)
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📝 レビュー (あおみさんのレビュー)
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先ずは掴み所のない作品だったってのが率直な感想かと。。
舞台は京浜地区の埋立地で雨が降る夜のシーンが多いコト、そして登場人物のほとんどがカタカナ表記になってる等で全体的に無機質でダークな独自の世界観が創り上げられている。なんとも言えぬ不快な空気を醸し出す表現力だったり特異な事件性には惹かれるものがあったのだが、どこか現実離れした感じが否めない上に人物描写が浅かったりで、人間心理の深い部分に触れてる割には重みが感じられずに何だかボヤけたままだったしで…
のっけから14体の冷凍された遺体が出てくる事件性や、この世界観だったりには確かにインパクトがあった!!
しかし、肝心の内容面では登場人物たちの人物像がとにかく捉えにくかった。人名のカタカナ表記を含めた世界観からくるものなのか作者の意図した描写によるものなのかは分からないが、作中に出てくる仮想空間と相成って、リアルよりもバーチャル世界の出来事としての印象を受けてしまい、クロハの抱える鬱屈や犯人の悪意すらも薄っぺらく感じて何か釈然としないものが残った。。
仮想空間を通じた人間関係の連鎖を捉えるなど、作風以外でも現代社会とマッチィングした要素が取り入れられたりして斬新さや独創性を感じられる作品ではあったが、インパクトある出足からのテンションを維持しきれなかったり、もう一歩の深堀ができていなかったのが残念。。
選考委員満場一致で日本ミステリー文学大賞新人賞を受賞したって肩書が期待値を膨れさせる要因だったとは思うが、膨れた期待値を満足させるには少し物足りなかったかと…

思ってもみない展開でおもしろかった!ただ、途中の入り組んだ感に比べて終わり方がややあっさりし過ぎな気もしたが。途中の複雑さを際立たせるためかな?お勧めできる本。

