
赤い指 (講談社文庫)
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確か作者が直木賞受賞後に最初に発売になった作品だったような。
「新参者」がTVドラマ化して加賀恭一郎も少しメジャーになったかな。シリーズ初期は大学を舞台にした青春小説だったけど、今や周囲が一目も二目もおくベテラン刑事。個性あって人間味豊かな主人公が冴え渡る洞察力と感動的で味わいのある人間ドラマを演じます。シリーズ作品として確実に時間の経過を感じさせてくれるのもたまりません。定年後もみたいキャラの一人です。
シリーズの特徴として、少ない 登場人物でストーリー形成されるので、その分、一人一人の人物が印象深く心に残ります。
この作品の設定はまさに現代社会の悩める写像。オチは少し強引だけど、「赤い指」が示唆する意味は深い。欲を言えば、同世代の子を育てる立場から宇宙との通信のような中学生の男の子の心理描写にももう少し触れて欲しかったかなぁ。最後は。。ますます加賀恭一郎が好きになりました^-^/



殺人を犯した子供をかばう親の心情が詳細に描かれている。自分も親の立場になればもっとよくわかったのかな


感動した。ミステリーなんだけど、暗い中にも暖かさがあり、正義が溢れてる感じだったかなー。

リアリティに欠ける気が…しちゃうんだよなぁ…

家族親を大切にすることの大事さを一つの事件を通して教えられた。人と人の絆に何らかの欠陥があるといつか崩壊する。近い存在で何気なく毎日接している人でも感謝の気持ちを忘れてはならない。



加賀恭一郎シリーズ
中学生の息子の犯行を両親で隠蔽し、認知症の祖母の犯行に仕立てる話。



悲しすぎる…。
ただ、悲しいだけでは終わらない。

読中、激しい憤りと苛立ちを感じた箇所があった。その感情は幼女の命を奪った息子、直己に対してではなく、彼の両親だ。特に母親が息子を庇い、守ろうとする場面においてである。
彼女の、息子に怯える態度とどこまでも甘やかそうとする弱気な姿勢に苛立ち、彼女が説く支離滅裂で自分勝手な理屈に憤った。
彼女は「殺人事件を起こした者は一生まともに生きられないから、直己を助けてやりたい」というような発言をした。
当然だ。
人を殺したのだから。
人の命を奪うということは、世界を奪うことだと思う。
もし殺されなかったらそれから体験するであろう出会いや楽しみ、悲しみや苦悩といった人生を充実させるあらゆる事象を全てなかったことにすることこそが殺人だと考えるからだ。
人と人は個人の世界を少しずつ交わらすことで繋がり、世界を共有することで親密になる。
直己は、まだ世界の輪郭も完成していないような幼い子の命を奪い、彼女の世界を破壊した。そして彼女と深く交わっていた両親の世界も壊した。
だから罪を償い、裁かれて当然なのだ。
寧ろ、死んでしまえと言いたいほどだ。
母親はそんな息子を庇護し、こんな状況においても安楽な環境にいさせてやろうとした。
腹を痛めて産んだ我が子を何が何でも守りたいという母の気持ちは分からない。分からないが、親ならば我が子を正しい道へと導くべきではないか。子が道を外れた原因には学校環境や友人関係などがあるが、多くは親の躾とこれまでの教育だと思う。
それがあっての性格や気品であり、その性格や気品あっての人間関係だと考える。
直己は正真正銘のクズだ。
ただ、それ以上に母はクズだ。
小説自体の評価に関係のない箇所について長々と書きすぎた。
本書で語られるのは、親子が気を遣い合うという所謂現代的な家族を構成する駄目な親と駄目な子と、子を正そうと自分を殺す親らしい親だ。
昭夫の母がとった行動には憎しみや苦しみがあったが、確かに愛が感じられた。
実母の呆けている演技を見抜くこともできず、それを利用して殺人犯に仕立て上げようとした息子を正そうと、間違っていることを気付かせようとした必死の行動には大きな愛があったのだ。
厳しい環境から出してあげることが愛ではない。敢えて厳しい環境に入れ、そこで頑張れるように励ましたり、叱ることこそが愛なのだ。
そんな愛ある親になりたいと思う。
全体的に内容が薄く、感動的な場面での描写も少ないことから本書の評価はこのようにさせていただく。












































































































































