メニュー
気まぐれ美術館 (新潮文庫)

気まぐれ美術館 (新潮文庫)

この本の所有者

1人が登録
25,196回参照
2011年2月11日に更新

書籍情報

ページ数:
467ページ
参照数:
25,196回
登録日:
2011/02/11
更新日:
2011/02/11
所有者:
zooko012 zooko012さん

この本を共有する

📝 レビュー (zooko012さんのレビュー)

レビュー:
屈折しまくりのあくの強い画廊の主人の綴った絵画・画廊エッセイ「気まぐれ美術館」。画家になりたかったが、親に反対されて芸大の建築科に進学。在学中に左翼活動を行うが、投獄され転向し、中国で諜報活動に従事。引き揚げ後は、妻子をほったらかしつつ、作家を目指すが、芽が出ず挫折(芥川賞の候補にはなっている)。一転、生計のために画廊の主人となり、新進画家の紹介に努める。「芸術新潮」で「気まぐれ美術館」の連載をし、漸く居場所を見つけたのが、何と60歳過ぎ。読んでいて面白くないはずがない。絵を紹介するという体裁をとりながら、自分が見いだした作家達との交友録のほか、洲之内の激動の半生、なぜか自分の愛人達との現在進行形の情事が衒いもなく縷々記されるのである。脱線部分が90%である。それでも、最後に感じるのは、洲之内の絵に対する狂おしいほどの愛である。何故、こんなに面白いのに絶版になってしまっているのだろう・・・(小林秀雄や白州正子が評価をしていた。現在も、関口夏央や福田和也などが評価している)
なお、洲之内徹がきっかけで、松本竣介、長谷川?二郎(りん)の絵、白洲正子に興味を持った。

ログインが必要です

この本をレビューしたり、読書進捗を記録するにはログインが必要です。

ログイン

AIが見つけた似た本

「気まぐれ美術館 (新潮文庫)」の文章スタイル、テーマ、内容を分析し、 類似度の高い本を10冊見つけました

77.7%
羊たちの沈黙
75.8%
ホワイトアウト (新潮文庫)

ホワイトアウト (新潮文庫)

真保 裕一

日本最大の貯水量を誇るダムが、武装グループに占拠された。職員、ふもとの住民を人質に、要求は50億円。残された時間は24時間!荒れ狂う吹雪をついて、ひとりの男が敢然と立ち上がる。同僚と、かつて自分の過失...

28人 4
75%
新訂 徒然草 (岩波文庫)

新訂 徒然草 (岩波文庫)

西尾 実

『徒然草』の面白さはモンテーニュの『エセー』に似ている。そしてその味わいは簡潔で的確だ。一見無造作に書かれているが、いずれも人生の達人による達意の文章と呼ぶに足る。時の流れに耐えて連綿と読みつがれてき...

9人 4
74.9%
川の深さは (講談社文庫)

川の深さは (講談社文庫)

福井 晴敏

「彼女を守る。それがおれの任務だ」傷だらけで、追手から逃げ延びてきた少年。彼の中に忘れていた熱いたぎりを見た元警官は、少年を匿い、底なしの川に引き込まれてゆく。やがて浮かび上がる敵の正体。風化しかけた...

17人 3.7
74.8%
七つの黒い夢 (新潮文庫)

七つの黒い夢 (新潮文庫)

乙一

天使のように美しい顔をした私の息子。幼稚園児の彼が無邪気に描く絵には、想像を絶するパワーがあった。そしてある日―。乙一の傑作「この子の絵は未完成」をはじめ、恩田陸、北村薫、岩井志麻子ら、新感覚小説の旗...

19人 4
74.8%
蛇を踏む (文春文庫)

蛇を踏む (文春文庫)

川上 弘美

女は藪で蛇を踏んだ。蛇は女になり食事を作って待つ。母性の眠りに魅かれつつも抵抗する、女性の自立と孤独。芥川賞受賞作他二篇

14人 3.7
74.4%
きよしこ (新潮文庫)

きよしこ (新潮文庫)

重松 清

少年は、ひとりぼっちだった。名前はきよし。どこにでもいる少年。転校生。言いたいことがいつも言えずに、悔しかった。思ったことを何でも話せる友だちが欲しかった。そんな友だちは夢の中の世界にしかいないことを...

42人 3.8
74%
紅 (集英社スーパーダッシュ文庫)

紅 (集英社スーパーダッシュ文庫)

片山 憲太郎

揉め事処理屋を営む高校生・紅真九郎のもとに、とある少女を守るという依頼が舞い込んできた。少女の名は、九鳳院紫。世界屈指の大財閥の御令嬢。詳しい事情を聞かされぬまま、真九郎は紫との共同生活を開始。彼女の...

6人 5
zooko012
zooko012 Lv.229

屈折しまくりのあくの強い画廊の主人の綴った絵画・画廊エッセイ「気まぐれ美術館」。画家になりたかったが、親に反対されて芸大の建築科に進学。在学中に左翼活動を行うが、投獄され転向し、中国で諜報活動に従事。引き揚げ後は、妻子をほったらかしつつ、作家を目指すが、芽が出ず挫折(芥川賞の候補にはなっている)。一転、生計のために画廊の主人となり、新進画家の紹介に努める。「芸術新潮」で「気まぐれ美術館」の連載をし、漸く居場所を見つけたのが、何と60歳過ぎ。読んでいて面白くないはずがない。絵を紹介するという体裁をとりながら、自分が見いだした作家達との交友録のほか、洲之内の激動の半生、なぜか自分の愛人達との現在進行形の情事が衒いもなく縷々記されるのである。脱線部分が90%である。それでも、最後に感じるのは、洲之内の絵に対する狂おしいほどの愛である。何故、こんなに面白いのに絶版になってしまっているのだろう・・・(小林秀雄や白州正子が評価をしていた。現在も、関口夏央や福田和也などが評価している)
なお、洲之内徹がきっかけで、松本竣介、長谷川?二郎(りん)の絵、白洲正子に興味を持った。

グローバル検索

ReadNest全体から本やレビューを検索します