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荒れ果て、死に絶えた大地を旅する父子の物語。
難解でした。
希望がない世界の、自問自答の旅。
あまりにも静か。
こんなすさまじい作品を読んでしまった!という衝撃も、凄惨さも、孤独さも、
とにかくすべてが静かで、心を削られていくような作品でした。
まるでベクシンスキーの絵の世界。
灰色の世界。
死者。
やりすごす。
逃げる。
隠れる。
奪う。
争う。
孤独。
絶望。
欲。
嘘。
傍観。
心の中で静かに燃える火。
愛。
この父子の旅路は、まるで人生みたいだなぁと思いました。
生き延びることが幸運なことなのか、という疑問が頭をよぎったりとか、
生き続けなければいけない苦しみに気づいてしまったりとか。
そんな中で、
こんな世界を肯定的に見ている・・というか、決して諦めない、純真な少年の存在は、希望そのものだった。
読んでいて、自分自身が少年にすがりつきたい気持ちになりました。
少年を守っている父親も、きっとそうだった。
たったひとつでも希望の光がれば、強くなれるんだな人間は。
SFチックな特殊な舞台設定ながら、人生というものをを示唆されたような、
苦さと希望を同時に感じることができた小説でした。