内容紹介
書籍情報提供: Google Books
読書履歴
AIが見つけた似た本
「羊と鋼の森」の文章スタイル、テーマ、内容を分析し、 類似度の高い本を10冊見つけました
狼と香辛料 (電撃文庫)
支倉 凍砂
行商人ロレンスは、麦の束に埋もれ馬車の荷台で眠る少女を見つける。少女は狼の耳と尻尾を有した美しい娘で、自らを豊作を司る神ホロと名乗った。「わっちは神と呼ばれていたがよ。わっちゃあホロ以外の何者でもない...
ミキシング・ノート―鋼殻のレギオス8 (富士見ファンタジア文庫 143-13)
雨木 シュウスケ
ついに『彼女』はやって来た。超鈍感王レイフォンの幼なじみにして、『本妻』と噂される、リーリン・マーフェス。二人きりで過ごすのは本当に久しぶりで、リーリンにとっては何よりも待ち望んでいたことのはずだった...
狼と香辛料〈3〉 (電撃文庫)
支倉 凍砂
教会都市リュビンハイゲンを出立した行商人ロレンスと狼神ホロ。行商がてらホロの故郷ヨイツの情報を集めるため、冬の大市と祭りで賑わう町クメルスンにやってきた。そこで二人は、若い魚商人アマーティと出会う。ど...
本屋大賞受賞ということで偏見により敬遠(?)していた本書である。友人に薦められて手に取ったが、良書。
調律師になった男の子が主人公である。先輩達・お客さんとの関わりの中で調律師として成長していく。音の森から音を拾い出し世界を作るということ。ピアニストをあきらめ、ピアニストを支えるということ。ピアノを生活の楽しみとしている人達を支えるということ。下手な恋愛模様など盛り込まず、ひたすら、音を創るということ、ピアノ、ピアノを巡る人達について、調律の矜持について、丁寧に繊細に書いていくところが、とてもとてもよく、心にじんわりと染み入る。
男の子が目指す音として、原民喜の文章を引用しながら、「明るく静かに澄んで懐かしい文体、少しは甘えているようでありながら、きびしく深いものを湛えている文体、夢のように美しいが現実のように確かな文体」をあげる。そのような読後感のある小説である。同じ印象を受ける「パリ左岸のピアノ工房」(これも良書)を改めて読み直してみたくなった。
主人公の純朴さ、コツコツと成長していく様子が、美しい情景の描写によって北海道の森の風景を呼び起こし、木漏れ日の光、木々のざわめきなどが浮かんできて懐かしい温かい気持ちになった。「才能があるから生きていくんじゃない、そんなもの、あったって、なくたって生きていくんだ。もっと確かなものを、この手で探り当てていくしかない。」手探りでこれでいいのかと戸惑いながら一歩ずつ確信に変えて歩もうとしていた青春時代を思い出した。音楽をわからないわたしは半分も理解できなかったかもしれないが、そんなことも許してもらえそうな本でした。