内容紹介
書籍情報提供: Google Books
AIが見つけた似た本
「理由 (朝日文庫)」の書誌情報と、 この本を読んだ人の本棚から、 近そうな本を10冊見つけました
長い長い殺人 (光文社文庫)
宮部 みゆき
金は天下のまわりもの。財布の中で現金は、きれいな金も汚ない金も、みな同じ顔をして収まっている。しかし、財布の気持ちになれば、話は別だ。刑事の財布、強請屋の財布、死者の財布から犯人の財布まで、10個の財...
私が彼を殺した (講談社文庫)
東野 圭吾
婚約中の男性の自宅に突然現れた一人の女性。男に裏切られたことを知った彼女は服毒自殺をはかった。男は自分との関わりを隠そうとする。醜い愛憎の果て、殺人は起こった。容疑者は3人。事件の鍵は女が残した毒入り...
理由 (新潮文庫)
宮部 みゆき
事件はなぜ起こったか。殺されたのは「誰」で、いったい「誰」が殺人者であったのか―。東京荒川区の超高層マンションで凄惨な殺人事件が起きた。室内には中年男女と老女の惨殺体。そして、ベランダから転落した若い...
悪人(上) (朝日文庫)
吉田 修一
九州地方に珍しく雪が降った夜、土木作業員の清水祐一は、携帯サイトで知り合った女性を殺害してしまう。母親に捨てられ、幼くして祖父母に引き取られた。ヘルス嬢を真剣に好きになり、祖父母の手伝いに明け暮れる日...
殺人の門 (角川文庫)
東野 圭吾
「倉持修を殺そう」と思ったのはいつからだろう。悪魔の如きあの男のせいで、私の人生はいつも狂わされてきた。そして数多くの人間が不幸になった。あいつだけは生かしておいてはならない。でも、私には殺すことがで...
夜明けの街で (角川文庫)
東野 圭吾
不倫する奴なんて馬鹿だと思っていた。ところが僕はその台詞を自分に対して発しなければならなくなる―。建設会社に勤める渡部は、派遣社員の仲西秋葉と不倫の恋に墜ちた。2人の仲は急速に深まり、渡部は彼女が抱え...
どちらかが彼女を殺した (講談社文庫)
東野 圭吾
最愛の妹が偽装を施され殺害された。愛知県警豊橋署に勤務する兄・和泉康正は独自の“現場検証”の結果、容疑者を二人に絞り込む。一人は妹の親友。もう一人は、かつての恋人。妹の復讐に燃え真犯人に肉迫する兄、そ...
十角館の殺人 <新装改訂版> (講談社文庫)
綾辻 行人
十角形の奇妙な館が建つ孤島・角島を大学ミステリ研の七人が訪れた。館を建てた建築家・中村青司は、半年前に炎上した青屋敷で焼死したという。やがて学生たちを襲う連続殺人。ミステリ史上最大級の、驚愕の結末が読...
600ページを超えるこの重厚な一冊には「荒川一家四人殺人事件」に関わった人物たちの生活や家庭内のわだかまり、抱えてきた悩みなど実に深い実生活的な部分が描かれている。
関わったと言っても、決して事件の加害者や被害者といった意味合いではないというのが、本書の醍醐味であり、本書を賞賛する第一の点である。
その事件の容疑者を目撃した者や、その事件の噂を耳にした者、事件が発生したマンションに居を構える者などまさに多種多様である。
他にもマスコミの情報に翻弄される者たち、マスコミに構って欲しいがために情報をでっちあげる者たち、自身の感性を信じて容疑者の言葉に耳を傾ける者たちが登場する。
彼らは思い思いの視点で、考え方で、生き方で独自の見解を述べる。
本書の大枠としてはルポルタージュの体裁をとっている。身元の知れないインタビュアーが事件に関係する人たちに質問を投げかけていくのだ。そこで分かる彼らの考え方や生き方というものもあるが、所詮そういうのは取り繕ったものだ。人間は誰かに話をする際、自分を善く見せようとする癖がある。無意識に。勿論、私もその一人であるが。
従って、本書がこうした典型的なルポルタージュ形式のみで繰り広げられていたなら間違いなく本書は駄作となっていただろう。
本書が良作となった所以は、章によって俯瞰的視点から彼らの生活について物語られる章が用意されているからだ。そこで、私たち読者は容疑者であれば容疑者なりの、被害者であれば被害者なりの、また彼らの家族の考えや、人生を垣間見ることができる。
そうして、一つの事件に命が吹き込まれるのだ。
現実における事件も自身の人生からは切り離された言わば架空の物語である。そしてその物語において、感情は決して描かれない。日に日に判明していく事実だけをつらつらと書き綴った物語。それが現実における事件だ。
だから小説は面白いのだと思う。非現実な事件に参加することができるから。
そう言った意味で本書は極めて現実的な事件に、現実の事件では語られることのない感情や人生が絡み合っていたからとても面白かった。
理由がいっぱい