メニュー
横道世之介 (文春文庫)

横道世之介 (文春文庫)

吉田 修一

この本の所有者

(4.7)
25人が登録
116回参照
2013年3月12日に更新

書籍情報

ページ数:
467ページ
参照数:
116回
登録日:
2013/03/12
更新日:
2013/03/12
所有者:
Moko Mokoさん

この本を共有する

内容紹介

進学のため上京した横道世之介18歳。愛すべき押しの弱さと隠された芯の強さで、様々な出会いと笑いを引き寄せる青春小説の金字塔
Google プレビュー 書籍情報提供: Google Books
Google Booksで見る

読書履歴

2013/03/12 467ページ

ログインが必要です

この本をレビューしたり、読書進捗を記録するにはログインが必要です。

ログイン

AIが見つけた似た本

「横道世之介 (文春文庫)」の文章スタイル、テーマ、内容を分析し、 類似度の高い本を10冊見つけました

78.5%
蛇を踏む (文春文庫)

蛇を踏む (文春文庫)

川上 弘美

女は藪で蛇を踏んだ。蛇は女になり食事を作って待つ。母性の眠りに魅かれつつも抵抗する、女性の自立と孤独。芥川賞受賞作他二篇

14人 3.7
75%
川の深さは (講談社文庫)

川の深さは (講談社文庫)

福井 晴敏

「彼女を守る。それがおれの任務だ」傷だらけで、追手から逃げ延びてきた少年。彼の中に忘れていた熱いたぎりを見た元警官は、少年を匿い、底なしの川に引き込まれてゆく。やがて浮かび上がる敵の正体。風化しかけた...

17人 3.7
74.9%
クラインの壺 (講談社文庫)

クラインの壺 (講談社文庫)

岡嶋 二人

200万円でゲームブックの原作を、謎の企業イプシロン・プロジェクトに売却した上杉彰彦。その原作をもとにしたヴァーチャルリアリティ・システム『クライン2』の制作に関わることに。美少女・梨紗と、ゲーマーと...

12人 4
74.8%
石の猿 下 (3) (文春文庫 テ 11-12)

石の猿 下 (3) (文春文庫 テ 11-12)

ジェフリー・ディーヴァー

冷酷無比の殺人者“ゴースト”は狡猾な罠をしかけ、密航者たちのみならずライムの仲間の命をも狙う。愛する者たちを守るには、やつに立ち向かうしかない。真摯に敵を追う中国人刑事ソニーの協力も得、ライムはついに...

5人 5
74.7%
新訂 徒然草 (岩波文庫)

新訂 徒然草 (岩波文庫)

西尾 実

『徒然草』の面白さはモンテーニュの『エセー』に似ている。そしてその味わいは簡潔で的確だ。一見無造作に書かれているが、いずれも人生の達人による達意の文章と呼ぶに足る。時の流れに耐えて連綿と読みつがれてき...

9人 4
74.5%
青年のための読書クラブ

青年のための読書クラブ

桜庭 一樹

東京・山の手の伝統あるお嬢様学校、聖マリアナ学園。校内の異端者(アウトロー)だけが集う「読書クラブ」には、長きにわたって語り継がれる秘密の“クラブ誌”があった。そこには学園史上抹消された数々の珍事件が...

10人 5
74.1%
赤朽葉家の伝説

赤朽葉家の伝説

桜庭 一樹

“辺境の人”に置き忘れられた幼子。この子は村の若夫婦に引き取られ、長じて製鉄業で財を成した旧家赤朽葉家に望まれ輿入れし、赤朽葉家の“千里眼奥様”と呼ばれることになる。これが、わたしの祖母である赤朽葉万...

8人 4.3
あおみ
あおみ Lv.78

本書は珍しく映画を先に見てからの読書となった。そのため世之介のキャラクターも祥子の話し方も、予め頭に用意されていたので文章が言葉として入りやすかった。
本書を分類するとなれば「青春小説」だろう。横道世之介という平凡な一人の学生の1年間を描き、時には彼に関わった人物たちのいまを織り交ぜることで世之介が彼らの心にしっかりと残る存在だったということを物語る。
しかし「青春小説」と言えば、例えば新歓で突拍子もないことを言い孤立する学生に思わず惹き寄せられたり、仲間と協力し切磋琢磨することで何かを成し遂げたり、彼らなりの正義感から何かの事件を解決したり、小説ならではと言える現実味のない出来事に巻き込まれたり…
そういったある種の「非現実」をイメージしていた私にとって本書は、とにかく「現実」であった。
世之介のような人物は確かにいるし、出会う人物たちもさすがに加藤のような同性愛者は身近にはいないが、できちゃった婚で大学を中退したというのも比較的よく聞く。だから少し拍子抜けというか物足りなさは感じるのである。
しかしなぜだろう。世之介が非常に魅力的に見える。それはもしかしたら映画という視覚的効果もあるのかもしれない。文章だけでは伝わらない彼の良さがあったのかもしれない。
彼のようになりたいとは思わないが、彼のような友達に出会えていたら私はそれを誇りに思えただろうと思う。
「自分は人を傷つける程近付いたことはないのだ」
と世之介は言っていたが、世之介には「傷をつける」という行為そのものが似合わない。彼には攻撃的要素が見当たらない。知らぬ間に空気を和ませ、相手を苛立たせることはあるが、相手はそれを妥協してしまう。
これは世之介の人間の良さが滲み出ている結果だろう。

とにもかくにも心の和む一冊である。
是非、映画と一緒に手にとってもらいたい。

hide
hide Lv.88

さき
さき Lv.70

グローバル検索

ReadNest全体から本やレビューを検索します