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ペンギン・ハイウェイ (角川文庫)

ペンギン・ハイウェイ (角川文庫)

森見 登美彦

この本の所有者

28人が登録
91回参照
2013年1月23日に更新

書籍情報

ページ数:
387ページ
参照数:
91回
登録日:
2012/12/29
更新日:
2013/01/23

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内容紹介

ぼくはまだ小学校の四年生だが、もう大人に負けないほどいろいろなことを知っている。毎日きちんとノートを取るし、たくさん本を読むからだ。ある日、ぼくが住む郊外の街に、突然ペンギンたちが現れた。このおかしな事件に歯科医院のお姉さんの不思議な力が関わっていることを知ったぼくは、その謎を研究することにした──。少年が目にする世界は、毎日無限に広がっていく。第31回日本SF大賞受賞作。
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📝 レビュー (あおみさんのレビュー)

評価:
4/5
レビュー:
題と表紙に魅せられて購入した一冊。なので、読んでからSFなのだということを知った。読後、とても不思議な心地がする。<海>とは何だったのか、お姉さんはなぜ誕生したのか、ペンギンやジャバウォックがどうして生まれてくるのか、アオヤマ君はなぜあんなに賢いのか、世界の果てとは結局何だったのかなどいくつもの疑問を残したまま本書は幕を閉じてしまうのだか、悶々とした感情やミステリーでは有り得ない伏線回収の未完結さに憤りを感じることはない。ただただ小学四年生が初恋に気付いた瞬間を目の当たりにして、ささやかな応援を送るだけだ。この一冊はそういった初恋の思い出や探検など小学生ならではの思い出を喚起させてくれる。あぁーいっぱい探検したなーとか、ちょっと変わった形の枝を見つけては剣と称して振り回したり、大人ぶってコーヒーを飲んでみたり…21歳の私がこうした思い出に浸ることができたのだから、もっと上の世代の方が読まれたのならその度合いはさらに強まるのだろう。
そして、最後にアオヤマ少年は自分の恋心に気付く。これまでなぜ自分がお姉さんを特別視するのか、なぜお姉さんの顔や表情に見惚れてしまうのか、なぜお姉さんのおっぱいがやたらと気になるのか、賢すぎるアオヤマ君は判然としなかった。しかし、お姉さんが消えてしまったことでやっとそれに気付く。これからはお姉さんに再開すべく、自己成長を遂げながら大人になる目標を掲げる。
もしかしたらこの一冊は、アオヤマ君がSFと言えるかもしれない恋に気付くまでの物語を描いた一冊なのかもしれない。

読書履歴

2013/01/23 387ページ

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