
内容紹介

AIが見つけた似た本
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読みやすい。ストーリー、展開、面白い。
ストーリーの基軸にはゼネコン業界の談合が何故なくならいのかといった、ある意味では社会の縮図を描いたような内容なのに、相変わらず読みやすくて分かり易い作品として仕上がっている。要素的にも違法である談合を巡ってゼネコンや検察、銀行といったそれぞれの立場から掘り下げられた企業小説としての側面、主人公の平太が初めて直面する談合を自分なりにどう捉えて乗り越えていくかといった成長期としての側面、更には主人公とその彼女とのすれ違いなどもリアルに描かれ、とどめには社会派ミステリーとしての展開も押さえいてる。正にてんこ盛りなストーリーをエンターテイメント作品しとてまとめあげ、飽きさせずに読ませる作品力は見事!!ホントにハズさない作家だと再認識させられる。。。
読了後に改めて感じたが、主人公の設定の仕方がとにかくうまいんじゃないかと思う。「空飛ぶタイヤ」での赤松社長もそうだったけど、今回の平太も特に非凡な部分は見られず、至ってどこにでもいる若手サラリーマンとしての人物像になっている。その等身大の主人公と読者の視点とをリンクさせることで、少し小難しいと思われる裏事情に関しても誰が何の思惑でやっているのかといった構図がスムーズに受け入れられるような整理した展開がなされているし、普通のサラリーマンだからこそ生ずるプライベート的な問題も織り込むことで親近感を湧かせて感情移入がしやすくなっているからこそ、読者も惹きつけられるんじゃないだろうか。
とにかく、色々な要素が入りつつも単に事象を追いかけるのではなく、あくまでヒューマンドラマに焦点を当てた展開になっていることが好ましい。
個人的には、様々な余韻を残した終わり方も良かったしで…
ゼネコン業界に関する正しい知識を持ち合わせていないから本作がどこまで現実に則したものかは分からないし、テーマとなっている談合の是非についても何とも言えないが、ビジネスマンとしてのしがらみで深みにはまってしまう恐ろしさや、その理不尽さは共感できた。そして、自分の信念を持ちつつ、しがらみから抜け出せないような生き方の哀しさも…
ビジネスをしている以上は何かしらのしがらみが生ずるものの、如何に己を見失わずにやっていけるのかは改めて考えされられた。。。
…しかしながらコスト重視だけの入札って制度は見直してほしいもんだ。
それ故に泣かされる下請けの気持ちは業界違えど一緒だし。。。



建設業に携わる者として、談合について考えさせられた

談合を必要悪とあきらめるか建築業界の構造的な体質は、どうすればいいのか。若きゼネコンマンが、慣習や矛盾に挑む。恋の行方がモヤモヤなので、星が減った。


人間であることを忘れたサラリーマンはただの部品だ。部品から人間に戻れなくなった者にとって人生はただ不毛な瓦礫だ。そしてそういう部品は往々にして腐る。設計図にないぶひんになる。

中堅ゼネコン・一松組の若手、富島平太が異動した先は“談合課”と揶揄される、大口公共事業の受注部署、業務部だった。まったく畑違いの部署に不平を募らせる平太だったが、業界のフィクサーと噂される人物と知り合ったり信念を持った上司たちの素晴らしい働き振りを目の当たりにし、徐々に仕事にのめりこんでいく。この異動の真実の目的は?建設業界、銀行、東京地検など、様々な人たちの立場から事件を見せてくれたのでわかりやすかったが、下請け業者の立場、共存するための談合と、悪人が潤うための官製談合の違いをもう少し書いてほしかった。




































