
坂の上の雲〈2〉 (文春文庫)
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内容紹介

📝 レビュー (MiniKさんのレビュー)
日清戦争は老朽しきった秩序と、新生したばかりの秩序となあいだにおこなわれた大規模な実験というような性格をもっていた
執着は自分のつくった句に対してだけでなく、弟子そのものに対してもそうであった。人間に対する執着は、つまり愛である、と虚子はこれについていう
元来が弟子や子分というのは気ままで浮気であり、師匠や親分が思っている半分ほどもその師匠や親分を想ってはいない。それでもなお師匠や親分は執念ぶかく弟子や子分のことをおもい、それを羽交いのなかであたため、にげようとすれば追い、つかまえてふたたびあたためる。
いわば無邪気な、しかしおよそ他人迷惑な、純情といえばもっともそれに似ているのがアメリカ合衆国の伝統的発想法なのかもしれず………ベトナム問題に対するアメリカの介入の発端も、多分にこういう世界史に類のない『善意』にもとづいている
真之(文明の段階々々で、ぴったりその段階にあった民族というのが、その歴史時代を担当するのではないか)
真之『いや、概念をじゃな。たとえば軍艦というものは一度遠洋航海に出て帰ってくると、船底にかきがらがいっぱいくっついて船あしがうんとおちる。人間もおなじで、経験は必要じゃが、経験によってふえる智恵とおなじ分量だけのかきがらが頭につく。智恵だけ採ってかきがらを捨てるということは人間にとって大切なことじゃが、老人になればなるほどこれができぬ』
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