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家守綺譚 (新潮文庫)

家守綺譚 (新潮文庫)

梨木 香歩

4
20人が登録
4件のレビュー

この本について

庭・池・電燈付二階屋。汽車駅・銭湯近接。四季折々、草・花・鳥・獣・仔竜・小鬼・河童・人魚・竹精・桜鬼・聖母・亡友等々々出没数多……本書は、百年まえ、天地自然の「気」たちと、文明の進歩とやらに今ひとつ棹さしかねてる新米精神労働者の「私」=綿貫征四郎と、庭つき池つき電燈つき二階屋との、のびやかな交歓の記録である。――綿貫征四郎の随筆「烏蘞苺記(やぶがらしのき)」を巻末に収録。

みんなの評価

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レビュー

taka_aki
taka_aki
2008年6月読了
やっぱり良いですね。この方の作品。

サルスベリ、都わすれ、白木蓮、などなど、木々に囲まれた生活、それ自体の描写もすっごく素敵ですけど、いわゆる、精霊、魑魅魍魎と言ったものまでも、ごくごく自然に物語に溶け込んでいると言いますか、読んでいて、自然にそれを受け入れられてしまうと言った不思議な感覚。

そして、ある場面で主人公が発したコトバ「私の精神を養わない。」この一言にはぐっと来ましたです。はい。
ぼんぼん
ぼんぼん
2008年7月読了
美しい日本語で描かれた美しい物語をよみました。
綿貫の目を通してみる世界は美しかった。色にあふれて優しかった。
自分の周りの世界を大切にする事。相手に寄り添い、耳を傾ける事。世界を知るということは、こっから始まるんだなと思いました。
 
この小説の姉妹編(?)『村田エフェンディ滞土録』の村田は、外の世界に出て、自分や自分を取り巻く世界を知った。この小説の主人公・綿貫は、半径数メートルの世界に耳を傾けることで、自分の心の中に答えを見つけた。ベクトルは違うけれど、どっちも真理というか。忘れがちだけれどね。。
静かな物語の中に流れる矜持みたいなものを感じました。
大切なもの、受け取りました!
zooko012
zooko012 2011年3月読了
「沼地のある森を抜けて」が面白かったので、梨木香歩の小説をもっと読もうと思っていたものの、1年以上が経過し、ようやく着手。本書は、「沼地」と同様(川上弘美の一連の著作とも同様。但し、川上弘美の方が境界は俄然曖昧)、河童・蕗の薹を集める小鬼・主人公に恋をするサルスベリなどなど、数ページに1つのエピソードが綴られる。何ともほのぼのとし楽しい。主人公と一緒に暮らす「仲裁犬」としてご近所で有名なゴロ-と、何かと理由をつけて餌をもってゴロ-に会いにくる犬好きの隣のおかみさんが非常によい。
こまきよ
こまきよ
2012年8月読了
2005年版本屋大賞3位だし、評価も高いし癒し系の良い本と思う。ただ、この本で癒されるには、読むほうもある程度落ち着いて読む環境が必要な気がする。慌しく、いらいらする日常のなかの細切れの時間で読書するものにとっては、日常からこの特殊な癒しの世界に入っていくのに結構エネルギーがいるので逆につかれてしまったりします。特に最近忙しかったので。。。

読書ステータス

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