
この本について
庭・池・電燈付二階屋。汽車駅・銭湯近接。四季折々、草・花・鳥・獣・仔竜・小鬼・河童・人魚・竹精・桜鬼・聖母・亡友等々々出没数多……本書は、百年まえ、天地自然の「気」たちと、文明の進歩とやらに今ひとつ棹さしかねてる新米精神労働者の「私」=綿貫征四郎と、庭つき池つき電燈つき二階屋との、のびやかな交歓の記録である。――綿貫征四郎の随筆「烏蘞苺記(やぶがらしのき)」を巻末に収録。
みんなの評価
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1
レビュー

zooko012
2011年3月読了
「沼地のある森を抜けて」が面白かったので、梨木香歩の小説をもっと読もうと思っていたものの、1年以上が経過し、ようやく着手。本書は、「沼地」と同様(川上弘美の一連の著作とも同様。但し、川上弘美の方が境界は俄然曖昧)、河童・蕗の薹を集める小鬼・主人公に恋をするサルスベリなどなど、数ページに1つのエピソードが綴られる。何ともほのぼのとし楽しい。主人公と一緒に暮らす「仲裁犬」としてご近所で有名なゴロ-と、何かと理由をつけて餌をもってゴロ-に会いにくる犬好きの隣のおかみさんが非常によい。
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