メニュー
悼む人

悼む人

天童 荒太

この本の所有者

15人が登録
206回参照
2010年10月14日に更新

書籍情報

ページ数:
464ページ
参照数:
206回
登録日:
2010/01/02
更新日:
2010/10/14

この本を共有する

内容紹介

聖者なのか、偽善者か?「悼む人」は誰ですか。七年の歳月を費やした著者の最高到達点!善と悪、生と死が交錯する至高の愛の物語。
Google プレビュー 書籍情報提供: Google Books
Google Booksで見る

📝 レビュー (ぼんぼんさんのレビュー)

評価:
3/5
レビュー:
ベストセラーや評判の良い作品を自分ではさほど良いと思えなかったとき、ちょっこし悔しくなります。
自分にはこの感性がないんだな。。。と。
今回もそんな類の作品だったかもしれず。
  
人が亡くなった場所ばかりを訪ね歩き、個人を悼みながら放浪を続ける静人。
彼の目的は。
故人は誰と出会い、どのように生き、そして亡くなったのか。
直前に読んだ「巡礼」も同じようなテーマだったので、余計タイミングが悪かったかも・・・。

静人が清い存在すぎて、ちょっと共感しづらかったかなぁ。
だって忘れていくことだって生きるためには大切だもの。
忘れないでと願う気持ちもわかるけど。
それを背負い込もうというのは本当に荷が重く、現実には不可能なことだと思う。
だからこそ少しでも長く残り続ける何かを残すために生きてるんじゃないかなーと思ったり。

そこまで考えてやっと気づいたことは、これは希望の物語なのかもしれないということでした。
この世から去り行く人が願う「忘れないで」という思い。
残される人がこうありたいと願う「忘れたくない」という気持ち。
現実にはとても厳しいことだと心のどこかで分かっているから、
こういう物語が生まれて、読み手は静人にこうありたいという思いをゆだねて心を揺さぶられるのかなと思ったり。
  
そういうの飲み込んだ上で、もっとドロドロした激情を描いた本が読みたかったです。
自分が死生観に求めているのはそれなんだなと気づいた。

でも、そんな風にナナメに捉えてしまう自分は
生と死というものがなんなのか、本当にはまだ分かっていないのかもしれません。

読書履歴

2010/10/14 464ページ
2010/10/06 273ページ
2010/10/05 176ページ
2010/10/04 98ページ

ログインが必要です

この本をレビューしたり、読書進捗を記録するにはログインが必要です。

ログイン

AIが見つけた似た本

「悼む人」の文章スタイル、テーマ、内容を分析し、 類似度の高い本を10冊見つけました

75.8%
遠まわりする雛
75.3%
私の男

私の男

桜庭 一樹

優雅だが、どこかうらぶれた男、一見、おとなしそうな若い女、アパートの押入れから漂う、罪の異臭。家族の愛とはなにか、超えてはならない、人と獣の境はどこにあるのか?この世の裂け目に堕ちた父娘の過去に遡る―...

24人 3.3
72.7%
うそうそ

うそうそ

畠中 恵

日本橋の大店の若だんな・一太郎は、摩訶不思議な妖怪に守られながら、今日も元気に(?)寝込んでいた。その上、病だけでは足りず頭に怪我まで負ったため、主に大甘の二人の手代、兄・松之助と箱根へ湯治に行くこと...

9人 4
72.2%
「できる人」はどこがちがうのか (ちくま新書)

「できる人」はどこがちがうのか (ちくま新書)

斎藤 孝

今日のように社会構造が根底から揺らいでいる時代には、各自が固有の判断のもとに動くほかない。そのためには、オリジナルなスタイルをもつことが大切である。「できる人」はどのように“技”を磨き、上達の秘訣を掴...

7人 3
72.1%
赤朽葉家の伝説

赤朽葉家の伝説

桜庭 一樹

“辺境の人”に置き忘れられた幼子。この子は村の若夫婦に引き取られ、長じて製鉄業で財を成した旧家赤朽葉家に望まれ輿入れし、赤朽葉家の“千里眼奥様”と呼ばれることになる。これが、わたしの祖母である赤朽葉万...

8人 4.3

グローバル検索

ReadNest全体から本やレビューを検索します