
内容紹介

📝 レビュー (ぼんぼんさんのレビュー)
自分にはこの感性がないんだな。。。と。
今回もそんな類の作品だったかもしれず。
人が亡くなった場所ばかりを訪ね歩き、個人を悼みながら放浪を続ける静人。
彼の目的は。
故人は誰と出会い、どのように生き、そして亡くなったのか。
直前に読んだ「巡礼」も同じようなテーマだったので、余計タイミングが悪かったかも・・・。
静人が清い存在すぎて、ちょっと共感しづらかったかなぁ。
だって忘れていくことだって生きるためには大切だもの。
忘れないでと願う気持ちもわかるけど。
それを背負い込もうというのは本当に荷が重く、現実には不可能なことだと思う。
だからこそ少しでも長く残り続ける何かを残すために生きてるんじゃないかなーと思ったり。
そこまで考えてやっと気づいたことは、これは希望の物語なのかもしれないということでした。
この世から去り行く人が願う「忘れないで」という思い。
残される人がこうありたいと願う「忘れたくない」という気持ち。
現実にはとても厳しいことだと心のどこかで分かっているから、
こういう物語が生まれて、読み手は静人にこうありたいという思いをゆだねて心を揺さぶられるのかなと思ったり。
そういうの飲み込んだ上で、もっとドロドロした激情を描いた本が読みたかったです。
自分が死生観に求めているのはそれなんだなと気づいた。
でも、そんな風にナナメに捉えてしまう自分は
生と死というものがなんなのか、本当にはまだ分かっていないのかもしれません。
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