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悼む人

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天童 荒太

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3件のレビュー

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レビュー

ぼんぼん
ぼんぼん
2010年10月読了
ベストセラーや評判の良い作品を自分ではさほど良いと思えなかったとき、ちょっこし悔しくなります。
自分にはこの感性がないんだな。。。と。
今回もそんな類の作品だったかもしれず。
  
人が亡くなった場所ばかりを訪ね歩き、個人を悼みながら放浪を続ける静人。
彼の目的は。
故人は誰と出会い、どのように生き、そして亡くなったのか。
直前に読んだ「巡礼」も同じようなテーマだったので、余計タイミングが悪かったかも・・・。

静人が清い存在すぎて、ちょっと共感しづらかったかなぁ。
だって忘れていくことだって生きるためには大切だもの。
忘れないでと願う気持ちもわかるけど。
それを背負い込もうというのは本当に荷が重く、現実には不可能なことだと思う。
だからこそ少しでも長く残り続ける何かを残すために生きてるんじゃないかなーと思ったり。

そこまで考えてやっと気づいたことは、これは希望の物語なのかもしれないということでした。
この世から去り行く人が願う「忘れないで」という思い。
残される人がこうありたいと願う「忘れたくない」という気持ち。
現実にはとても厳しいことだと心のどこかで分かっているから、
こういう物語が生まれて、読み手は静人にこうありたいという思いをゆだねて心を揺さぶられるのかなと思ったり。
  
そういうの飲み込んだ上で、もっとドロドロした激情を描いた本が読みたかったです。
自分が死生観に求めているのはそれなんだなと気づいた。

でも、そんな風にナナメに捉えてしまう自分は
生と死というものがなんなのか、本当にはまだ分かっていないのかもしれません。
inu
inu
2011年4月読了
2011/4
再読すべし。 私は★★★★★評価だし感銘受けたが、勢い込んで薦めた人の助言に従い、人に薦めるのは控えます。

近所で交通事故の被害者の方が一週間以上身元がわからなかったり、友人の葬儀を思い出したり、頭の中をいろいろなものが駆け巡り。
静人の行為は、善行ではなく、作中で本人が言うように病気だとは思うが、生きる者が生きる上で土台にすべきものを教えてくれるように思った。
真摯に生きることのすごさ、を感じる。
いい人がいっぱいな話大好き。
男性の中では、妊娠したら女性は何がなんでも生みたがる幻想、は根強いんだなあ、とは思う。
realiz
新聞の死亡記事を見てはその地を訪れ亡くなった人の悼む行為を繰り返す主人公を中心に展開する物語。
亡くなった人はどういう人だったか聞く時に三つの質問がある。
・誰に愛され愛していたのか
・どんなことで感謝されたか
この三つの質問をしながら主人公は歩いていく。まさに人生の要諦だな
天童荒太はただものじゃない。

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