
読書履歴
AIが見つけた似た本
「誘拐の誤差 (双葉文庫)」の文章スタイル、テーマ、内容を分析し、 類似度の高い本を10冊見つけました
新訂 徒然草 (岩波文庫)
西尾 実
『徒然草』の面白さはモンテーニュの『エセー』に似ている。そしてその味わいは簡潔で的確だ。一見無造作に書かれているが、いずれも人生の達人による達意の文章と呼ぶに足る。時の流れに耐えて連綿と読みつがれてき...
奪取〈上〉 (講談社文庫)
真保 裕一
一千二百六十万円。友人の雅人がヤクザの街金にはめられて作った借金を返すため、大胆な偽札造りを二人で実行しようとする道郎・22歳。パソコンや機械に詳しい彼ならではのアイデアで、大金入手まであと一歩と迫っ...
赤朽葉家の伝説
桜庭 一樹
“辺境の人”に置き忘れられた幼子。この子は村の若夫婦に引き取られ、長じて製鉄業で財を成した旧家赤朽葉家に望まれ輿入れし、赤朽葉家の“千里眼奥様”と呼ばれることになる。これが、わたしの祖母である赤朽葉万...
タイトルと硬質な表紙から完全に本格的な警察モノだと思い込んでついつい購入。しかし、その思い込みは読み始めてすぐに打ち砕かれる結果となった。登場するキャラクターは全てが見事にバカばっかりで、当初抱いた警察内での軋轢や犯人との駆け引きといった展開イメージをことごとく粉砕してくれた。。。
…確かにとんでもない"異色な警察小説"かと。。しかし、タイトルの「誘拐」って何??
表現的に行き過ぎな部分を除けば、ある意味では人間の本質を描き出して真の現実を反映させた作品とも言えるのかもしれないが、あまりにもディープすぎてここまで人格破綻者だらけの社会を提示されると、「じゃ〜ね〜♪」と去ってく少年の心情に同感するしかないって感じで。。。犯人である須田のバカさ加減はともかく、親も警察もここまでって。。。
確かに本能のままに突っ走る須田だからこそまっとうな捜査線上に浮いてこないって展開はいいけど、事件を湾曲させてる原因が警察自身で直接事件とは無関係の人間ばかりを追いかける。そして追いかけられる方もまた歪んでるといった正にどうしようもない奴らのオンパレードだと、さすがに現実は「もう少しマシだろ」と言いたくなる…。
人間の愚かさや、大人のあざとさ・厭らしさを10歳の少年を通して浮き上がらせ、人間の本性に迫っていった作品なんだと解釈したい気持ちもあるが、『いや、それは考え過ぎ?』というも思いもあり複雑な後味だ。。。
まぁ、とにかくここまで破天荒な展開だと、バカバカしくも楽しんで読めた作品ではあった…