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誘拐の誤差 (双葉文庫)

誘拐の誤差 (双葉文庫)

戸梶圭太

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レビュー

mak246
mak246
2010年12月読了

タイトルと硬質な表紙から完全に本格的な警察モノだと思い込んでついつい購入。しかし、その思い込みは読み始めてすぐに打ち砕かれる結果となった。登場するキャラクターは全てが見事にバカばっかりで、当初抱いた警察内での軋轢や犯人との駆け引きといった展開イメージをことごとく粉砕してくれた。。。
…確かにとんでもない"異色な警察小説"かと。。しかし、タイトルの「誘拐」って何??

表現的に行き過ぎな部分を除けば、ある意味では人間の本質を描き出して真の現実を反映させた作品とも言えるのかもしれないが、あまりにもディープすぎてここまで人格破綻者だらけの社会を提示されると、「じゃ〜ね〜♪」と去ってく少年の心情に同感するしかないって感じで。。。犯人である須田のバカさ加減はともかく、親も警察もここまでって。。。
確かに本能のままに突っ走る須田だからこそまっとうな捜査線上に浮いてこないって展開はいいけど、事件を湾曲させてる原因が警察自身で直接事件とは無関係の人間ばかりを追いかける。そして追いかけられる方もまた歪んでるといった正にどうしようもない奴らのオンパレードだと、さすがに現実は「もう少しマシだろ」と言いたくなる…。

人間の愚かさや、大人のあざとさ・厭らしさを10歳の少年を通して浮き上がらせ、人間の本性に迫っていった作品なんだと解釈したい気持ちもあるが、『いや、それは考え過ぎ?』というも思いもあり複雑な後味だ。。。
まぁ、とにかくここまで破天荒な展開だと、バカバカしくも楽しんで読めた作品ではあった…

読書ステータス

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