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光媒の花 (集英社文庫)

光媒の花 (集英社文庫)

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(3.5)
10人が登録
35回参照
2017年8月14日に更新

書籍情報

ページ数:
296ページ
参照数:
35回
登録日:
2017/08/14
更新日:
2017/08/14

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内容紹介

一匹の白い蝶がそっと見守るのは、光と影に満ちた人間の世界―。認知症の母とひっそり暮らす男の、遠い夏の秘密。幼い兄妹が、小さな手で犯した闇夜の罪。心通わせた少女のため、少年が口にした淡い約束...。心の奥に押し込めた、冷たい哀しみの風景を、やがて暖かな光が包み込んでいく。すべてが繋がり合うような、儚くも美しい世界を描いた全6章の連作群像劇。第23回山本周五郎賞受賞作。
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ひとつひとつの話は独立しているけれど、話の繋ぎや、端々で繋がっていく連作短編集。
この繋ぎ方や、関わり方がとても自然で話を邪魔しない。特に隠れ鬼から虫送りの流れるような繋ぎがすき。
もうひとつ、連作短編集として象徴するのがすべての話を横切っていく白い蝶。

群像劇とは違う、物語の中でバトンを繋げていくような話は他の話で出てきた人物を全く違う視点から魅せてくれて、物語の人々はそれぞれに考えて、それぞれの視点の中で生きているのだと、人間の多面性を見せてくれた。

6つの短編はどこか「どうしようもなさ」を様々な形で孕んでいて、とても苦しい展開の中でもずどん、と落とされるのではなく白い蝶と一緒にふわふわと攫われていく。
それがどうしようもない、という気持ちを大きくする時もあれば、優しさに感じる事もある。

特にどうしようもなさに陥った話は最後の「遠き光」で一応の解決を見る。
隠れ鬼の親子は今の環境もあってか、印象深く残った。

最後の締めは少し言葉多く、邪魔な気もした。
それまでが感傷に浸るような引きだったから、最後ももう少し言葉の余韻に浸りたかった。

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