
新装版 コインロッカー・ベイビーズ (講談社文庫)
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ついにキクとハシ、2人のコインロッカー・ベイビーズの話は幕を閉じた。生まれて間もなく母親に捨てられコインロッカーの中で泣き叫び、見知らぬ大人に拾われ育てられた。生憎だが、私には彼等の感情がわからない。生温い環境でこれまで生きてきたからだ。
小説全体としては、随分昔の日本が舞台となっていて、キクとハシそれぞれが幼い頃から求めていたものを見つけ出すまでの物語が描かれている。キクはダチュラという薬。ハシは心臓の音。節々に淫靡な描写、必要か?と感じる出来事があり、連々、長々と書かれた文に飽きることもあったが、終盤、2人がそれぞれの目的に辿り着こうと無様にも必死で藻掻く姿は応援したくなるような、引き止めたくなるような気持ちで読めた。
『僕は母親から受けた心臓の鼓動の信号を忘れない、死ぬな、死んではいけない、信号はそう教える、生きろ、そう叫びながら心臓はビートを刻んでいる。筋肉や血管や声帯がそのビートを忘れることはないのだ。』

変な本
