
内容紹介

📝 レビュー (ぼんぼんさんのレビュー)
ずっと相馬兄妹を描いたある一場面が強烈に記憶に残っていて、再読にかかってみて「あれ?この兄妹ってこんなにちょい役だったっけ?!なんでこんなに印象に残ってたんだ?!」とモヤモヤしていたのですが、その謎も読み終わって納得。清々しさと苦さがない交ぜになったこの感情、そういえば初めて読んだときも味わったな、と思い出しました。
あと、喜多じゃないけど読みながら閃光のようにぴかっとなにかが閃きそうな、つかめそうな思い出せそうなそんな一瞬がところどころにあったのですが、それがことごとく伏線だったと気づいてびっくり。覚えてた以上に緻密で計算された物語でした。
15年前のテスト強奪計画、女教師の殺人事件、仲間の死。
時効間際に真相が分かったとき、その夜のできごとはすべての登場人物にとって一種の通過儀礼だったのかなぁと思いました。大人になるための通過儀礼。それぞれが別の場所で人生を歩んでいくための通過儀礼。あまりにも過酷なのですが。
どんなに大きな事件でもいつかは風化してしまうものだけれど、当事者たちがそれぞれ一人きりになってたどった時間の重みを感じました。
そんな中で、それぞれがどうしても守らなくてはならないものを抱えて生きていて、その守るべきものが事件を難解にし、また事件を解決するきっかけになったというのは、これもまた人生なのかなぁ。
切ないような、懐かしいような、苦いような。とにかく泣けました。
最近の横山作品は、とかく組織!組織!組織!みたいな感じで、社会人経験に乏しいぺーぺーの私には少しとっつきにくい部分もあるのですが、たまにはこういうテイストの作品も読みたいなぁと思いました。
読書履歴
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