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ルパンの消息 (カッパノベルス)

ルパンの消息 (カッパノベルス)

横山 秀夫

4
8人が登録
2件のレビュー

みんなの評価

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レビュー

ぼんぼん
ぼんぼん
2008年7月読了
初版刊行直後に読んで以来、約3年ぶりの再読だったのですが、大筋以外の細かい部分をほとんど忘れてしまっていた事もあってか、のめりこんで読めました。泣いた!!
ずっと相馬兄妹を描いたある一場面が強烈に記憶に残っていて、再読にかかってみて「あれ?この兄妹ってこんなにちょい役だったっけ?!なんでこんなに印象に残ってたんだ?!」とモヤモヤしていたのですが、その謎も読み終わって納得。清々しさと苦さがない交ぜになったこの感情、そういえば初めて読んだときも味わったな、と思い出しました。
あと、喜多じゃないけど読みながら閃光のようにぴかっとなにかが閃きそうな、つかめそうな思い出せそうなそんな一瞬がところどころにあったのですが、それがことごとく伏線だったと気づいてびっくり。覚えてた以上に緻密で計算された物語でした。
15年前のテスト強奪計画、女教師の殺人事件、仲間の死。
時効間際に真相が分かったとき、その夜のできごとはすべての登場人物にとって一種の通過儀礼だったのかなぁと思いました。大人になるための通過儀礼。それぞれが別の場所で人生を歩んでいくための通過儀礼。あまりにも過酷なのですが。
どんなに大きな事件でもいつかは風化してしまうものだけれど、当事者たちがそれぞれ一人きりになってたどった時間の重みを感じました。
そんな中で、それぞれがどうしても守らなくてはならないものを抱えて生きていて、その守るべきものが事件を難解にし、また事件を解決するきっかけになったというのは、これもまた人生なのかなぁ。
切ないような、懐かしいような、苦いような。とにかく泣けました。
 
最近の横山作品は、とかく組織!組織!組織!みたいな感じで、社会人経験に乏しいぺーぺーの私には少しとっつきにくい部分もあるのですが、たまにはこういうテイストの作品も読みたいなぁと思いました。
自遊人
自遊人
2013年3月読了
作家・横山秀夫の処女作らしい。がその後の活躍が納得できる読み応え。15年前の女性教師転落死。当時は自殺として処理されたが、実は殺人事件だった。時効まであと一日と迫ったタイミングでのタレコミ。しかも犯人は当時の教え子である三人を名指ししてきた。彼らが決行したルパン作戦を振り返りながら、事件の真相に迫っていく。頼るのは当時の状況を語るルパン作戦の実行者だった人物達の供述から得る情報のみ。少ない情報から浮かび上がる犯人像は?元から少ない情報量からさらに必要な情報を上手くつなぎ合わせないと真相はみえてこない。

読書ステータス

読了 8人

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