天使の梯子 Angel's Ladder (集英社文庫)
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2011年12月27日に更新
内容紹介
バイト先のカフェで耳にした懐かしい声。それはフルチンこと古幡慎一が高校時代に思いを寄せた先生、斎藤夏姫のものだった。8歳年上、29歳の夏姫に、どうしようもなく惹かれていくフルチン。だが彼女は、体はひらいても心を見せてはくれない。10年前の「あの時」から夏姫の心には特別な男が棲んでいるのだから―。傷ついた心は再生するのか。愛は蘇るのか。それぞれの思いが交錯する物語。
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jah_yomou
Lv.33
前作『天使の卵』から10年。作品の中でもまさに10年の歳月が流れている。前作を面白いけど泣けない恋愛小説と表現したが、これもそう。つまりドラマチックすぎるのだ。しかし透明で美しい光を感じるお話だ。美しい死というものがあるならば、不慮の事故死とも言える前作のヒロインの死はまさに死ぬことで完結する永遠の愛が描かれていたのかもしれない。だが、作者は自らの出世作でもあるその大事な道標を大胆にも生きるものの喜びへと昇華させようとした。まさにここに10年間で作者が築き上げた自信と凄みを感じさせてくれる。大事に大事にしてきた宝物に手を加えることができたのは見事というしかない。青春恋愛小説が心に響く良作だ。