
天使のナイフ (講談社文庫)
この本の所有者
内容紹介

AIが見つけた似た本
「天使のナイフ (講談社文庫)」の文章スタイル、テーマ、内容を分析し、 類似度の高い本を10冊見つけました
狼と香辛料 (電撃文庫)
支倉 凍砂
行商人ロレンスは、麦の束に埋もれ馬車の荷台で眠る少女を見つける。少女は狼の耳と尻尾を有した美しい娘で、自らを豊作を司る神ホロと名乗った。「わっちは神と呼ばれていたがよ。わっちゃあホロ以外の何者でもない...
クラインの壺 (講談社文庫)
岡嶋 二人
200万円でゲームブックの原作を、謎の企業イプシロン・プロジェクトに売却した上杉彰彦。その原作をもとにしたヴァーチャルリアリティ・システム『クライン2』の制作に関わることに。美少女・梨紗と、ゲーマーと...
6ステイン (講談社文庫 ふ 59-9)
福井 晴敏
愛する男を待ち続ける女、隠居した天才的スリ、タクシー運転手として働きながら機が満ちるのを待った工作員。心に傷を持ちながら、独り誇りを抱き続けた者たちの消せない染み。あきらめることを知らない6つの魂が、...
奪取〈上〉 (講談社文庫)
真保 裕一
一千二百六十万円。友人の雅人がヤクザの街金にはめられて作った借金を返すため、大胆な偽札造りを二人で実行しようとする道郎・22歳。パソコンや機械に詳しい彼ならではのアイデアで、大金入手まであと一歩と迫っ...
紅 (集英社スーパーダッシュ文庫)
片山 憲太郎
揉め事処理屋を営む高校生・紅真九郎のもとに、とある少女を守るという依頼が舞い込んできた。少女の名は、九鳳院紫。世界屈指の大財閥の御令嬢。詳しい事情を聞かされぬまま、真九郎は紫との共同生活を開始。彼女の...
狼と香辛料〈3〉 (電撃文庫)
支倉 凍砂
教会都市リュビンハイゲンを出立した行商人ロレンスと狼神ホロ。行商がてらホロの故郷ヨイツの情報を集めるため、冬の大市と祭りで賑わう町クメルスンにやってきた。そこで二人は、若い魚商人アマーティと出会う。ど...
川の深さは (講談社文庫)
福井 晴敏
「彼女を守る。それがおれの任務だ」傷だらけで、追手から逃げ延びてきた少年。彼の中に忘れていた熱いたぎりを見た元警官は、少年を匿い、底なしの川に引き込まれてゆく。やがて浮かび上がる敵の正体。風化しかけた...
少年犯罪をテーマにした作品は何度か読んでいるが、本作では1つの事件だけでなく、事象の異なる複数の少年犯罪を絡み合わせて多面的に捉えることで、本当の更生や贖罪、それに対する被害者感情などを深く考えさせられる作品だった。
確かに“可塑性”という更生への 道筋は大事なんだろうが、その踏み台としてしか扱われていないとも思える被害者家族がいる事実。加害者が未成年であるが故に屈折した情報で苦しめられる被害者家族。そして、その方々への贖罪を望みながらもできずに苦しむ加害者等がいる中で、現在の少年法では何を更生として捉え、指導しているのだろうか。。
そのような現在の少年法に対する問題意識を促すように、本作はとにかく少年犯罪が立て続く。不可抗力にも関わらず被害者への贖罪に苛まれる者、事件後の更生と自分の“可塑性”を重視して過去に背いている者、そして未成年である自分の立場を悪用する者、、、、等。その加害者たちと関わってく主人公の桧山を通じて前半は被害者側が受ける理不尽な状況や感情を全面に押し出しつつ、後半では被害者の立場や加害者の事件へ向き合う姿も様々な形があり、一概に被害者感情のみを尊重することが全てではない事を主人公と一緒に感じ取っていくことになる。
…等々がメッセージに基づいたしかっりとした構成で綴られてる上に、ミステリーとしてのプロットも見事に絡み合っていて1つのエンターテイメント作品としてのクオリティも十分に高いと言える。二転三転していく展開に翻弄されながら最後には意外な真実が用意されているなど、見事なまでの完成度だった。
その反面、突っ込みどころが多かったのも否めない。いくら小説とは言えあまりに少年犯罪ばかりが連鎖し過ぎだろとか、みゆきがあまりにもフェイクとして配置されただけのキャラクターにしか思えないとか、丸山の後半の性格からしても狂言で電車に飛び込める程の覚悟と意志の強さは感じない、、、、とかとか。
読み応えがあった分、その辺の些細なご都合主義的な部分が気になってしまったのも事実だ。。。


