メニュー
暗渠の宿 (新潮文庫)

暗渠の宿 (新潮文庫)

西村 賢太

4.5
8人が登録
1件のレビュー

この本について

貧困に喘ぎ、暴言をまき散らし、女性のぬくもりを求め街を彷徨えば手酷く裏切られる。屈辱にまみれた小心を、酒の力で奮い立たせても、またやり場ない怒りに身を焼かれるばかり。路上に果てた大正期の小説家・藤澤清造に熱烈に傾倒し、破滅のふちで喘ぐ男の内面を、異様な迫力で描く劇薬のような私小説二篇。デビュー作「けがれなき酒のへど」を併録した野間文芸新人賞受賞作。

みんなの評価

4.5
5
1件
4
1件
3
0件
2
0件
1
0件

レビュー

玄蛍 勤
玄蛍 勤
2012年1月読了
デビュー作「けがれなき酒のへど」が想像以上に面白い。秋恵との些細な痴話喧嘩が物語のヤマであるのが普段の西村賢太であり、それでも文才で以て楽しく読めるのであるから、風俗嬢に90万もぼられた話とあっては迫力が段に違う。短編とスケールの小ささと文章を練る力を駆使している作家だけに、長編を書いたらすごい事になるのでは無いだろうか。書けるのであれば。

読書ステータス

読了 6人
読みたい 1人

グローバル検索

ReadNest全体から本やレビューを検索します