ぼくはこうやって詩を書いてきた 谷川俊太郎、詩と人生を語る
この本の所有者
📝 レビュー (zooko012さんのレビュー)
①谷川の代表的な詩が、年代順に紹介されており、これが圧倒的に素晴らしい。詩のわからない者にも、すとん、ぽたん、と腑に落ちる詩である。おまけに、その詩人による解説もある!
②谷川は、大哲学者のひとり息子として生まれ、3度の離婚を繰り返しているが、あけっぴろげにあけすけに、私生活と詩の結びつきを語っている。とりわけ、最後の妻佐野洋子に関する部分は、興味深い。
③谷川に併走してきたインタビュワーである編集者との気心の知れている語りが心地良い。編集者の「あの詩は佐野さんを語った詩ですよね?」との問いに、「えっ!あれは、小学生のゲイ的感情を綴った詩だよ。そうとしか読めないじゃん」との谷川の返答、「えぇっ(絶句)」との編集者の反応など、楽しい。詩の言説(?)に関わる難しい語りは一切ない。
とにかく谷川俊太郎は、えらぶらない、ひょうひょうとした大天才である。
読書履歴
AIが見つけた似た本
「ぼくはこうやって詩を書いてきた 谷川俊太郎、詩と人生を語る」の文章スタイル、テーマ、内容を分析し、 類似度の高い本を10冊見つけました
私の男
桜庭 一樹
優雅だが、どこかうらぶれた男、一見、おとなしそうな若い女、アパートの押入れから漂う、罪の異臭。家族の愛とはなにか、超えてはならない、人と獣の境はどこにあるのか?この世の裂け目に堕ちた父娘の過去に遡る―...
零崎曲識の人間人間 (講談社ノベルス ニJ- 21)
西尾 維新
『零崎一賊』―それは“殺し名”の第三位に列せられる殺人鬼の一賊。“少女趣味”こと零崎曲識が、一賊に忍び寄る危機を察知し、ついに表舞台に現れた。一賊の結束はどうなるのか。“音使い”零崎曲識の闘いが今、始...
川の深さは (講談社文庫)
福井 晴敏
「彼女を守る。それがおれの任務だ」傷だらけで、追手から逃げ延びてきた少年。彼の中に忘れていた熱いたぎりを見た元警官は、少年を匿い、底なしの川に引き込まれてゆく。やがて浮かび上がる敵の正体。風化しかけた...
「並の人生」では満足できない人の本
ロベルタ シェラー
この本は、一言でいえば、「やりたいこと」がいっぱいあるのに、なかなか手がつかない!毎日がマンネリぎみの「自分の殻」を破りたい!一度限りの人生を、「もっと生き甲斐のあるもの」にしたい!自分で納得できる豊...
失敗学のすすめ (講談社文庫)
畑村 洋太郎
恥や減点の対象ではなく、肯定的に利用することが、失敗を生かすコツ。個人の成長も組織の発展も、失敗とのつきあい方で大きく違う。さらに新たな創造のヒントになり、大きな事故を未然に防ぐ方法も示される―。「失...
良書。面白い。730頁あまりを一息に読了。以下、良書の理由。
①谷川の代表的な詩が、年代順に紹介されており、これが圧倒的に素晴らしい。詩のわからない者にも、すとん、ぽたん、と腑に落ちる詩である。おまけに、その詩人による解説もある!
②谷川は、大哲学者のひとり息子として生まれ、3度の離婚を繰り返しているが、あけっぴろげにあけすけに、私生活と詩の結びつきを語っている。とりわけ、最後の妻佐野洋子に関する部分は、興味深い。
③谷川に併走してきたインタビュワーである編集者との気心の知れている語りが心地良い。編集者の「あの詩は佐野さんを語った詩ですよね?」との問いに、「えっ!あれは、小学生のゲイ的感情を綴った詩だよ。そうとしか読めないじゃん」との谷川の返答、「えぇっ(絶句)」との編集者の反応など、楽しい。詩の言説(?)に関わる難しい語りは一切ない。
とにかく谷川俊太郎は、えらぶらない、ひょうひょうとした大天才である。