メニュー
牛を屠る (シリーズ向う岸からの世界史)

牛を屠る (シリーズ向う岸からの世界史)

この本の所有者

(4.0)
4人が登録
237回参照
2010年4月19日に更新

書籍情報

ページ数:
140ページ
参照数:
237回
登録日:
2009/10/29
更新日:
2010/04/19

この本を共有する

内容紹介

「ここはおめえみたいな奴の来る所じゃねえっ!」怒鳴られた初日そして...牛の上にも十年。牛を屠って働く悦びを、著者は得た。屠畜場イラスト付(巻末)。
Google プレビュー 書籍情報提供: Google Books
Google Booksで見る

📝 レビュー (ぼんぼんさんのレビュー)

評価:
4/5
レビュー:
差別とか歴史とか、そういうのはひとまず忘れてしまうくらい、まっとうな職業ものノンフィクションでした。
自分の知らない世界だったり、知らない職業の話をのぞき見するのが好きなのですが、この本も期待にたがわず面白かったです。
まさに『屠る』という言葉がしっくりくる、現場の熱が行間から伝わってくるような臨場感。プロフェッショナル!!
 
牛を屠るときの感触、職人魂、重み、銃声。
ふだん肉を食べるときに、それまでの課程や経緯にまではなかなか思いが至らないものだけど、
この本を読んで、「ああそうか。こういうたくさんの課程を越えて、命が『食』になるんだ」と腑に落ちた思いです。
悲観的でもなく、ヒステリックでもなく、ただ事実がすとんと腹に落ちたというか。
食の向こう側にある、汗や血や人の手や生き物のぬくもりや熱気を感じることができました。
逆説的かもしんないけど、生きている物語というか。
 
もうひとつ感じたことが、働くってこういうことなんだよなってことでした。
流れ着いた場所で、与えられた場所で、自分なりのなにかを見つけて毎日を積み重ねること。
自分もがんばろっと。

読書履歴

2010/04/19 140ページ

ログインが必要です

この本をレビューしたり、読書進捗を記録するにはログインが必要です。

ログイン

AIが見つけた似た本

「牛を屠る (シリーズ向う岸からの世界史)」の文章スタイル、テーマ、内容を分析し、 類似度の高い本を10冊見つけました

76.8%
羊たちの沈黙
75.3%
失敗学のすすめ (講談社文庫)

失敗学のすすめ (講談社文庫)

畑村 洋太郎

恥や減点の対象ではなく、肯定的に利用することが、失敗を生かすコツ。個人の成長も組織の発展も、失敗とのつきあい方で大きく違う。さらに新たな創造のヒントになり、大きな事故を未然に防ぐ方法も示される―。「失...

18人 4
73.9%
狼と香辛料 (電撃文庫)

狼と香辛料 (電撃文庫)

支倉 凍砂

行商人ロレンスは、麦の束に埋もれ馬車の荷台で眠る少女を見つける。少女は狼の耳と尻尾を有した美しい娘で、自らを豊作を司る神ホロと名乗った。「わっちは神と呼ばれていたがよ。わっちゃあホロ以外の何者でもない...

33人 3.7
73.9%
新訂 徒然草 (岩波文庫)

新訂 徒然草 (岩波文庫)

西尾 実

『徒然草』の面白さはモンテーニュの『エセー』に似ている。そしてその味わいは簡潔で的確だ。一見無造作に書かれているが、いずれも人生の達人による達意の文章と呼ぶに足る。時の流れに耐えて連綿と読みつがれてき...

9人 4
73.8%
ドキュメント 屠場 (岩波新書)

ドキュメント 屠場 (岩波新書)

鎌田 慧

屠場―。そこは鍛え上げられた職人芸が、商品としての食肉の味と価値を左右する世界だ。日本人の肉食の歴史とともに歩んできた労働現場の実像と、いわれなき職業差別と身分差別にさらされながら、合理化の波に抗して...

3人 4
73.8%
ラスト・ビジョン
73%
狼と香辛料〈3〉 (電撃文庫)

狼と香辛料〈3〉 (電撃文庫)

支倉 凍砂

教会都市リュビンハイゲンを出立した行商人ロレンスと狼神ホロ。行商がてらホロの故郷ヨイツの情報を集めるため、冬の大市と祭りで賑わう町クメルスンにやってきた。そこで二人は、若い魚商人アマーティと出会う。ど...

23人 5
72.9%
終わりのクロニクル〈7〉―AHEADシリーズ (電撃文庫)

終わりのクロニクル〈7〉―AHEADシリーズ (電撃文庫)

川上 稔

2nd‐Gの概念下で命刻の攻撃を受け、危篤状態に陥った新庄...。一方、その命刻は詩乃を抱え、かつてTop‐Gで新庄の両親が作り上げた、概念創造機械ノア=バベルへと向かった。そして、マイナス概念の活性...

4人 5
ぼんぼん
ぼんぼん Lv.66

差別とか歴史とか、そういうのはひとまず忘れてしまうくらい、まっとうな職業ものノンフィクションでした。
自分の知らない世界だったり、知らない職業の話をのぞき見するのが好きなのですが、この本も期待にたがわず面白かったです。
まさに『屠る』という言葉がしっくりくる、現場の熱が行間から伝わってくるような臨場感。プロフェッショナル!!
 
牛を屠るときの感触、職人魂、重み、銃声。
ふだん肉を食べるときに、それまでの課程や経緯にまではなかなか思いが至らないものだけど、
この本を読んで、「ああそうか。こういうたくさんの課程を越えて、命が『食』になるんだ」と腑に落ちた思いです。
悲観的でもなく、ヒステリックでもなく、ただ事実がすとんと腹に落ちたというか。
食の向こう側にある、汗や血や人の手や生き物のぬくもりや熱気を感じることができました。
逆説的かもしんないけど、生きている物語というか。
 
もうひとつ感じたことが、働くってこういうことなんだよなってことでした。
流れ着いた場所で、与えられた場所で、自分なりのなにかを見つけて毎日を積み重ねること。
自分もがんばろっと。

taka_aki
taka_aki Lv.305

なぜかこれ系の本を結構読んでしまう。

タイトル通りの作品です。と殺場で働いていた著者によるドキュメンタリー。

食べているものがどのように作られているのか(作るって表現が正しい気がします)が事細かに綴られています。

そもそも、それを知らないこと自体が問題だと思う訳で。

とは言え、学校で豚を飼って最終的には食べると言った話がありましたが、著者はこれに反対の立場。まー、目的がずれているなーと感じたりもして。食肉なら食肉として、ペットならペットとして扱うのが正しいと思いました。

いろいろ考えさせられた一冊。毎回こう言った本には考えさせられますが。

グローバル検索

ReadNest全体から本やレビューを検索します