文庫 犬たちの隠された生活 (草思社文庫)
この本の所有者
内容紹介
書籍情報提供: Google Books
📝 レビュー (taka_akiさんのレビュー)
タイトルの通り、巷にあふれている犬本(と言うのか?)では触れられていないような「隠された犬の生活」を淡々と綴っています。
気になったところをピックアップ。
・他の生物を判断するときに、自分たちの価値基準や、自分たちの経験をあてはめるというのは、あながち人間という種だけではない。<中略>つまり、犬なりの価値基準を人間にあてはめている、もしくは”擬犬化している”のである。
・わたしたち人間とは異なり、彼(犬のミーシャ)はけっして交差点では横断しない。かわりに、歩道にそって横に曲がると、角から二〇フィートほど行き、そこで通りを横断して、歩道を○○ストリートの歩道までひきかえし、あらためて先へ進むのである
・犬の見地からは、この殺しは避けられなかったと言うことを。いかにもそれは避けられなかった。犬たちが自分たちを集団として見ているならば、そしてひとつの集団は一腹の仔しか育てられないものならば、二腹の子供が共存することはできない。
「人間」からしてみれば「なぜ?」と思うような行動も「犬」にしてみれば合理的な理由があって行動しているってこと自体、気づけない物なんだなと。
犬の生、性、死など生々しいものではありますが、淡々と綴っていることもあって抵抗なく読み進められました。
猫版も読もう。
読書履歴
AIが見つけた似た本
「文庫 犬たちの隠された生活 (草思社文庫)」の文章スタイル、テーマ、内容を分析し、 類似度の高い本を10冊見つけました
狼と香辛料 (電撃文庫)
支倉 凍砂
行商人ロレンスは、麦の束に埋もれ馬車の荷台で眠る少女を見つける。少女は狼の耳と尻尾を有した美しい娘で、自らを豊作を司る神ホロと名乗った。「わっちは神と呼ばれていたがよ。わっちゃあホロ以外の何者でもない...
クシュラの奇跡―140冊の絵本との日々
ドロシー バトラー
これは、複雑な重い障害をもって生まれたクシュラという女の子の“生”のたたかいの記録であり、その成長にかかわった数多くの絵本の物語です。生後四か月から、母親がはじめた絵本の読み聞かせによって、クシュラは...
新訂 徒然草 (岩波文庫)
西尾 実
『徒然草』の面白さはモンテーニュの『エセー』に似ている。そしてその味わいは簡潔で的確だ。一見無造作に書かれているが、いずれも人生の達人による達意の文章と呼ぶに足る。時の流れに耐えて連綿と読みつがれてき...
ネコソギラジカル(下)青色サヴァンと戯言遣い (講談社ノベルス)
西尾 維新
「生きている以上、世界の終わりを物語の終わりを、諦めることはできない」“人類最悪の遊び人”たる「狐面の男」は「ぼく」こと“戯言遣い”に断言する。玖渚友との決別。想影真心の暴走。そして、復活する哀川潤....
狼と香辛料〈3〉 (電撃文庫)
支倉 凍砂
教会都市リュビンハイゲンを出立した行商人ロレンスと狼神ホロ。行商がてらホロの故郷ヨイツの情報を集めるため、冬の大市と祭りで賑わう町クメルスンにやってきた。そこで二人は、若い魚商人アマーティと出会う。ど...
これは興味深い。猫派の自分でも興味深く読んでしまったのでした。
タイトルの通り、巷にあふれている犬本(と言うのか?)では触れられていないような「隠された犬の生活」を淡々と綴っています。
気になったところをピックアップ。
・他の生物を判断するときに、自分たちの価値基準や、自分たちの経験をあてはめるというのは、あながち人間という種だけではない。<中略>つまり、犬なりの価値基準を人間にあてはめている、もしくは”擬犬化している”のである。
・わたしたち人間とは異なり、彼(犬のミーシャ)はけっして交差点では横断しない。かわりに、歩道にそって横に曲がると、角から二〇フィートほど行き、そこで通りを横断して、歩道を○○ストリートの歩道までひきかえし、あらためて先へ進むのである
・犬の見地からは、この殺しは避けられなかったと言うことを。いかにもそれは避けられなかった。犬たちが自分たちを集団として見ているならば、そしてひとつの集団は一腹の仔しか育てられないものならば、二腹の子供が共存することはできない。
「人間」からしてみれば「なぜ?」と思うような行動も「犬」にしてみれば合理的な理由があって行動しているってこと自体、気づけない物なんだなと。
犬の生、性、死など生々しいものではありますが、淡々と綴っていることもあって抵抗なく読み進められました。
猫版も読もう。