
トムラウシ山遭難はなぜ起きたのか (ヤマケイ文庫)
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2009年に起きた、15名中ツアーガイドを含む8名が死亡した「トムラウシ山遭難」のルポタージュである。悪天候の中出発し、徐々に脱落する者が出てくる。介抱にあたる者、これを無視し追い抜き独力で下山する者、ビバークする者。この死亡事故の直接の原因は、低体温症であるとのことだが、低体温になると、判断能力もにぶり不可解な言動も出てくるようになる。ガイドを含む全員が程度の差こそあれ低体温症を発症している中で、適切な判断をなしえないガイドの判断に頼らざるを得なかった現状。なかなかに凄絶な人間模様が描かれている。ただ、生存者は、これだけの過酷な状況を経験しながら、同じツアー会社を使用し、登山を続けていることのこと。驚きである。Amazonでも評判がよいが、読み応えのある一冊である。