
読書履歴
2013/02/16
296ページ
2013/02/16
283ページ
宗教的思考の感じれない東京スカイツリー登場によって、東京タワーは、やっと本来の役目、昭和の慰霊塔として立ち続けるに違いありません。東京タワー建設のときに、関係者の念頭にあったはずのパリのエッフェル塔も、東京タワーと同じように、普仏戦争に負けて、意気消沈していたフランス国民の誇りを取り戻そうとして企図された塔でした。軍事力よりも経済力でプロイセンを負かそうとしたのです。しかも、鉄の時代の幕開けの初陣を飾るとともに、その後ニューヨークではじまった摩天楼時代の、天高く伸び、あたかも重力からの開放をめざした高層建築時代のさきがけになった建築物です。東京タワーは、空襲を受け、多くの死者の霊が行き交っている地に建てられましたが、エッフェル塔は、戦場で傷ついた兵士を慰めるための廃兵院の近くに建てられ、いわば癒しのシンボルだといいます。そのせいかどうか、東京タワーは、エッフェル塔の約半分の重量にもかかわらずどっしりと重く見え、エッフェル塔は「レースの貴婦人」と称されるほどに軽やかに立っているのと好対照ですね。(p.283) 「東京タワーの鉄」
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