
内容紹介

📝 レビュー (あおみさんのレビュー)
非常にミーハーであるが、映画が今月公開されるということで気になり購入した。映画の予告やCMなどで話の断片と言うか、主人公の1人である鈴木一郎の性格や特徴は掴んでいたため、読中にあまり違和感を抱くことなく読み進めることができた。些か鈴木一郎の説明と、精神系学者の説明的な箇所が多く、約100頁を残した時点で事件が発生するため中弛みを感じさせることがある。さらに鈴木一郎の淡々とした性格の通り、事件は淡々とあっさりと解決される。しかも犯人は愉快犯ということもあり、明確な怨念や復讐などの目的はない。そして一連の爆破事件の元となる考えも「ヨハネの黙示録」という極めて抽象的な書物であり、作中でも言われていたがこじつけに感じられてしまう。そのため大どんでん返しは起こらない。極めて淡々と述べられ、淡々と幕を閉じる。しかし、鈴木一郎の推論が的中したとされる第五の爆破予告と黙示録の重なりには驚きと感動を覚えた。総合的に言うと、映画化即ち視覚的描写がなければ本書をイメージとして捉えるのは難しいのではないか、という感想だ。
恐らく本書の内容と映画の内容は大きく異なるだろう。予告で見た場面や台詞を期待していては、落胆することが考えられる。しかしながらそのことから映画への興味が高まったのも事実である。鈴木一郎が血を流し、肩で呼吸する様。爆弾魔を予感させる少女の正体。はやく映画を見たいものである。
鈴木一郎=生田斗真は非常にハマっていると思う。
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