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ピンクとグレー

ピンクとグレー

この本の所有者

(3.6)
15人が登録
89回参照
2012年3月17日に更新

書籍情報

ページ数:
261ページ
参照数:
89回
登録日:
2012/03/17
更新日:
2012/03/17

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内容紹介

ステージという世界の魔法、幻想に魅入られた幼なじみの二人の青年の愛と孤独を描くせつない青春小説。NEWS・加藤シゲアキ渾身のデビュー作。
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説明
大阪から横浜へ越してきた小学生の河田大貴(りばちゃん)は、同じマンションに住む同い年の鈴木真吾(ごっち)と出逢い、中学校高校大学と密接した青春時代を送る。高校生になった二人は、雑誌の読者モデルをきっかけにバイト替わりの芸能活動をスタート。大学へ進学した二人は同居生活を始めるが、真吾がスターダムを駆け上がっていく一方で、エキストラから抜け出せない河田だけが取り残されていく。やげて二人は決裂。二度と会うことのない人生を送るはずだった二人が再びめぐり逢ったその時、運命の歯車が回りだす・・・。


良い点
現役アイドルが描いているため、芸能界という舞台の描写にリアリティーを与えている。特に作者本人が売れっ子ではない?という点が、主人公であるりばちゃんと重なり、彼の視点から見る人気アイドルへの羨望や心理描写が自然で感情移入しやすい。
かつ主人公達の通っていた高校が作者と同じく青学の付属高校であったり、舞台となる渋谷の街も実際にある建物や公園が出てくるため、具体的な情景がイメージでき、あたかも実際の物語に感じられた。

また主人公達がルームシェアしているのも自身の経験と重なり、中々家に帰って来ないルームメイトに対する感情なども共感できた。

悪い点
各章のサブタイトルが主人公の年齢とその章の物語に関連する飲み物になっていて、村上春樹を彷彿させる洒落た構成だったが、年齢の配列がイマイチ分かりにくく、サブタイトルである飲み物もそれ程象徴的なものではなく、試みとしては良かったかもしれないがあまり効果的でに感じられなかったのが残念。

また各人物の描写はとても綺麗な表現ではあるが、やや薄っぺらい、というか浅い感じがして、もう少しキャラクターに奥行きを持たせて欲しかった。特にりばちゃん&ごっちは芸能界で頭角を表すことになるが、その核となる魅力が、容姿も含めてイマイチ伝わってこず、ただラッキーなだけに思えてしまう。

またラスト近くでごっちが自殺する方法が首吊りというのも理解出来ない。
6通り書いた遺言の中にはリバーフェニックスと同じく、安置所で一番綺麗な死体でいたい、というものがあるにも拘らず、なぜ首吊りという一番醜い方法を選んだのか?

また6通りの遺書から選んで欲しい、と頼むほど最後まで芸能人としての仮面の姿で世を去ることに拘ったごっちだが、正直6通りすべて遺書の内容が、全然深みのない、薄っぺらいものであり、魅力的な人物、稀有な人物だと裏付ける絶好の機会であり期待していただけに、他人の借り物ばかりのその内容にはがっかりした。

ただ、最後に映画を通してりばちゃんがごっちに同化していくことで、当時理解することが出来なかったごっちの心情を追体験していくという構成はなかなか面白く、同化の果てに狂気な世界に突き進んでいく最後は上手くまとめられていたと思う。

今回は芸能人という著者のアドバンテージを上手く活かした小説であったが、次回作は小説家としての真価が問われることになるため、期待したい。

みさ
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