
プリズン・トリック (講談社文庫)
この本の所有者
内容紹介

読書履歴
AIが見つけた似た本
「プリズン・トリック (講談社文庫)」の文章スタイル、テーマ、内容を分析し、 類似度の高い本を10冊見つけました
6ステイン (講談社文庫 ふ 59-9)
福井 晴敏
愛する男を待ち続ける女、隠居した天才的スリ、タクシー運転手として働きながら機が満ちるのを待った工作員。心に傷を持ちながら、独り誇りを抱き続けた者たちの消せない染み。あきらめることを知らない6つの魂が、...
川の深さは (講談社文庫)
福井 晴敏
「彼女を守る。それがおれの任務だ」傷だらけで、追手から逃げ延びてきた少年。彼の中に忘れていた熱いたぎりを見た元警官は、少年を匿い、底なしの川に引き込まれてゆく。やがて浮かび上がる敵の正体。風化しかけた...
奪取〈上〉 (講談社文庫)
真保 裕一
一千二百六十万円。友人の雅人がヤクザの街金にはめられて作った借金を返すため、大胆な偽札造りを二人で実行しようとする道郎・22歳。パソコンや機械に詳しい彼ならではのアイデアで、大金入手まであと一歩と迫っ...
失敗学のすすめ (講談社文庫)
畑村 洋太郎
恥や減点の対象ではなく、肯定的に利用することが、失敗を生かすコツ。個人の成長も組織の発展も、失敗とのつきあい方で大きく違う。さらに新たな創造のヒントになり、大きな事故を未然に防ぐ方法も示される―。「失...
クラインの壺 (講談社文庫)
岡嶋 二人
200万円でゲームブックの原作を、謎の企業イプシロン・プロジェクトに売却した上杉彰彦。その原作をもとにしたヴァーチャルリアリティ・システム『クライン2』の制作に関わることに。美少女・梨紗と、ゲーマーと...



単行本で追加された手紙の部分が、当初は無かったなんて、信じられず。
なんとも評価し辛い作品だったってのが率直な感想かと。。序盤から刑務所内での密室殺人といった意外性で幕開けし、先読みできそうでありながらその期待(?)を裏切る二転三転した展開。その展開には惹きつけられたものの、様々な立場の登場人物とそれに合わせた視点の移り変わりが目まぐるしくて事件の真相に近づいても誰に共感すればよいのか…
「こいつこそが探偵役か!」と思ってても肝心なトコでリタイヤしてくれたりだし。。。
交通刑務所内の描写は非常に丁寧で読ませるのだが、後半につれてその辺の描写的な魅力が薄れてしまったりもして、プロット自体の面白さや意外性は備えていたものの、イマイチ作品としてはしっくりこなかったってのが結論かと。
…やっぱり詰め込み過ぎによる消化不良なのかなぁ。。。
そもそも表題の通りであればトリックに重点を置いた内容なんだろうが、読み進むと事件の発端となった交通事故の真相だっり、それらに関わる各々の思惑だっりの謎解きになっていくので、トリック自体に対するオチはあっさりとした展開になってしまっている。ま、改題前は「三十九条の過失」ってタイトルだったらしいから作者の意図からすると致し方なのかもしれないが、ちょっと「プリズン・ブレイク」とかに絡めた話題性を意識しすぎてしまったって感じがもったいない。
内容的にも突っ込み所満載で、警察が無能故に成り立ってたりするご都合主義。それと、事件を多角的にするために視点を変えるにしろ、もう少し整理してかき分けてくれた方が分かり易かったんじゃないかと思う。
それでなくとも似たような名前の登場人物が存在するんだし…
そして文庫本に収められた最後の手紙。
これの存在も読者によって賛否両論なんだろうが、個人的には幾ら伏線があったとはいってもコレでやっとスッキリできたからアリだとは思うものの、ここにきてこのキャラクターの異常性って部分についてはどーかと。。。
…等々と決して面白くない作品ではないだけに色々と「残念」って印象だけが残った。