メニュー
バルザックと小さな中国のお針子

バルザックと小さな中国のお針子

ダイ・シージエ

この本の所有者

2人が登録
84回参照
2012年2月2日に更新

書籍情報

ページ数:
189ページ
参照数:
84回
登録日:
2012/02/02
更新日:
2012/02/02
所有者:
たむ たむさん

この本を共有する

内容紹介

文化大改革の嵐が吹き荒れる1971年、医者を親に持つ僕と羅は、反革命分子の子として再教育のため山奥深くに送りこまれた。僕は17歳、羅は18歳だった。厳しい労働に明け暮れるなか、僕らは村に唯一ある仕立屋の美しい娘、小裁縫に恋をした。あるとき僕らは、いまや禁書となっている西欧の小説を友人が隠し持っていることを知る。壮大な愛や冒険の物語に僕らはすっかり夢中になり、これに刺激を受けた羅は、小裁縫にバルザックの小説を語り聞かせる。二人は次第に親密になっていくが、本によって自分たちの運命が大きく変わってしまうとは知らなかった...。在仏中国人作家が自らの青年時代の体験をもとに綴り、世界30カ国で翻訳された...
文化大改革の嵐が吹き荒れる1971年、医者を親に持つ僕と羅は、反革命分子の子として再教育のため山奥深くに送りこまれた。僕は17歳、羅は18歳だった。厳しい労働に明け暮れるなか、僕らは村に唯一ある仕立屋の美しい娘、小裁縫に恋をした。あるとき僕らは、いまや禁書となっている西欧の小説を友人が隠し持っていることを知る。壮大な愛や冒険の物語に僕らはすっかり夢中になり、これに刺激を受けた羅は、小裁縫にバルザックの小説を語り聞かせる。二人は次第に親密になっていくが、本によって自分たちの運命が大きく変わってしまうとは知らなかった...。在仏中国人作家が自らの青年時代の体験をもとに綴り、世界30カ国で翻訳された話題作。
Google プレビュー 書籍情報提供: Google Books
Google Booksで見る

📝 レビュー (たむさんのレビュー)

評価:
5/5
レビュー:
文学性とエンターテイメントがバランスよく融合した素晴らしい本だった。
決してページ数は多くない。
でも、とても密度の濃い時間を過ごせた。
文化大革命や、再教育という、中国における負の歴史について興味を持った。

主人公たちのように、文学の名作をもっと読んで、味わい深い人間になりたい。
バルザックも昔、関心を持ったきり、手を出していないし。

作中で、炭鉱での労働シーンが出てくる。
これまで出会ってきた本でも、幾度か目にした。
(たとえば、『白い果実』など)
炭鉱や鉱山の閉鎖的な薄暗さって、登場人物の心理的な落ち込みや、八方ふさがりな境遇を表すのに適しているんだなとしみじみ思った。

他にも印象に残ってるエピソードはいくらでもある。
マラリアにかかった親友が、病床から腕を伸ばし、密かに心を通わす少女の髪をゆっくり解いていったシーン。
祭りの供物とされるため、事故を装って、崖から突き落とされた牛。

一つ一つのシーンが印象的なのは、作者がもともと映画監督だったからだろう。
しかもその印象的なシーン、ただ心に焼きつくだけでなく、そこから何かを考えさせる力を持っていた。

とにかく本当にいい本だった。
文庫本も出ているから購入して、手元にぜひ置いておきたい。
もちろん、ダイ・シージエの別作品もすべて読みたい。

読書履歴

2012/02/02 189ページ
2012/02/02 26ページ 文化大革命について、今までその単語しかしらなかった。「再教育」の制度とか、こんな異常なことをやってたのか。しかもほんの少し過去の話

ログインが必要です

この本をレビューしたり、読書進捗を記録するにはログインが必要です。

ログイン

AIが見つけた似た本

「バルザックと小さな中国のお針子」の文章スタイル、テーマ、内容を分析し、 類似度の高い本を10冊見つけました

71.8%
石の猿

石の猿

ジェフリー・ディーヴァー

不法移民は“すでに世に亡き者たち”。蛇頭に金を払わなければ、殺される。文句を言えば、殺される。この世から消えたきり、二度と見つからない。「リンカーン・ライム」シリーズ最新刊。

4人 4.5
71.7%
三色ボールペンで読む日本語 (角川文庫)

三色ボールペンで読む日本語 (角川文庫)

斎藤 孝

青で「まあ大事」、赤で「すごく大事」、緑で「おもしろい」。三色ボールペンで色分けしながら文章に向き合うことは、シンプル且つ誰にでもできる読書法。最も簡単な、脳を鍛えるトレーニングツールだ。カチカチとボ...

3人 4
71.3%
ネコソギラジカル(下)青色サヴァンと戯言遣い (講談社ノベルス)

ネコソギラジカル(下)青色サヴァンと戯言遣い (講談社ノベルス)

西尾 維新

「生きている以上、世界の終わりを物語の終わりを、諦めることはできない」“人類最悪の遊び人”たる「狐面の男」は「ぼく」こと“戯言遣い”に断言する。玖渚友との決別。想影真心の暴走。そして、復活する哀川潤....

17人 4
71.3%
クラインの壺 (講談社文庫)

クラインの壺 (講談社文庫)

岡嶋 二人

200万円でゲームブックの原作を、謎の企業イプシロン・プロジェクトに売却した上杉彰彦。その原作をもとにしたヴァーチャルリアリティ・システム『クライン2』の制作に関わることに。美少女・梨紗と、ゲーマーと...

12人 4
70.9%
クシュラの奇跡―140冊の絵本との日々

クシュラの奇跡―140冊の絵本との日々

ドロシー バトラー

これは、複雑な重い障害をもって生まれたクシュラという女の子の“生”のたたかいの記録であり、その成長にかかわった数多くの絵本の物語です。生後四か月から、母親がはじめた絵本の読み聞かせによって、クシュラは...

2人 4
70.8%
ツブログ

ツブログ

ごとう けいこ

粒・琴・禅のほのぼの家族が繰りひろげる愉快な毎日。

1人 4
70.8%
石の猿 下 (3) (文春文庫 テ 11-12)

石の猿 下 (3) (文春文庫 テ 11-12)

ジェフリー・ディーヴァー

冷酷無比の殺人者“ゴースト”は狡猾な罠をしかけ、密航者たちのみならずライムの仲間の命をも狙う。愛する者たちを守るには、やつに立ち向かうしかない。真摯に敵を追う中国人刑事ソニーの協力も得、ライムはついに...

5人 5

グローバル検索

ReadNest全体から本やレビューを検索します