
書籍情報
- 著者:
- 吉田 修一
- ページ数:
-
199ページ
- 参照数:
- 34回
- 登録日:
- 2011/12/06
- 更新日:
- 2011/12/06
- 所有者:
-
illusions1さん
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内容紹介

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ほぼジャケ買いだったのですが。当たりでした。
でもなんと感想を述べていいのやら、このずっしり胸に重いものをどう表現すればよいのやら・・・。ただ悲しい。悲しいよ。
秋田連続児童殺害事件+大学集団暴行事件+映画「ゆれる」+東野圭吾「白夜行」を連想させるエピソードを軸に、一組の男女の関係性を淡々とつづった小説だったのですが、こんだけの要素をよくぞこのボリュームに収めたな、そして無駄なく簡潔にまとめたな、と感心しました。
そこから炙り出されたのは憎しみと愛情。両極端の振り幅で動く気持ち。引き裂かれそうな二律背反。
幸せに「ならない」ために一緒にいることを選んで、忘れないために生きていく。みたいな・・・。
愛と呼んでいいものかどうかすらわからないこの愛の形に、心がささくれ立ちました。しかも読んだ後もそのささくれが治ってくれないの!それなのに目が離せなかった・・・。
↑にも書いたけれど、尾崎とかなこの関係は「白夜行」の雪穂と亮司の関係に通じるものがあるような気がしました。
はぁ・・・。悲しい。でも二人のことを考えてしまう。ずっと。
吉田修一は好きな作家の一人なのですが、どの作品を読んでも、汗のにおいや湿気をはらんだ暑さ、息苦しさをいつも感じます。
今回はその苦しさが特に強かった。
この作品も映画化されるらしいのですが、この苦しさをめいっぱい映像でも表現してほすぃところです。
