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小夜しぐれ (みをつくし料理帖)

小夜しぐれ (みをつくし料理帖)

高田 郁

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zooko012
zooko012 2011年3月読了
続刊を唯一待ちわびている連作(時代)短編集である(一時期、バチスタ、伊良部シリーズ等も読んでいたが、途中で嫌になった)。期待は裏切られない。牛蒡の掻き揚げ、菜の花飯、さよりの皮のあぶったもの等、女料理人澪は、本著でも、涎の出そうな料理を作り続ける。澪を支える周囲の人たちの造形も、類型的でありながら、苦み・深みを若干加えて、そんなに陳腐に陥らない。幼なじみとの友情、秘めた恋、人探しあり。予定調和であることも時代小説なので気にならず、しみじみと癒され暖かい涙が出る読み心地である。なお、澪は大水害で両親を失い料理屋に拾われた元孤児であり、「与えられた場所で一心に精進を重ねれば自ずと道は拓かれる」との想い人からの言葉を胸に、料理の道に邁進する。このような大災害の状況下で、自分も、とりあえず、自分の仕事を淡々と誠実にこなすことから始めようと思う。

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