この本について
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レビュー
そんなことを読了後に考えさせられる。
40歳を目前に癌を宣告されたシュンが子供の頃からの「傷」との折り合いをつけていく過程を軸に描かれ、その想いや姿勢には共感する部分も多くついつい感情移入してしまう。色々と背負ってしまってはいたが、自分・家族、そして友人もが納得できる最後を迎えられたのは幸せな終わりだったのではないだろうか。
作品自体、後半は一気読みするほど引き込まれるものだったけど、本作品で提起しているテーマだとはいえ「許す」に拘りすぎてた感もあった。その中だからこそユウちゃんというキャラクター性が欠かせなかったのかもしれないが。。しかし、このユウちゃんのキャラクターは絶妙だった。特に第15章のユウちゃんの語りはなんとも良い味があって、この作品をより際立たせている一因となっている。
そして本作で舞台となる北海道にある架空の田舎町、そしてカシオペアの丘の描写はもちろんのことだし、登場人物たちのが発するら台詞のどれもが素晴らしい。その意味でも魅力的な作品だった。
それだけに安易に中途半端な映像化だけは避けてほしいと願う。。

シュンの人生は着々と確実に終焉に向かっていく。悲しきことか、嬉しきことか「死」が目前にあると、周りの人も当人も正直になっていく。そうして語られていく彼らの過去、現在、未来を一緒に受け止め、私も私の人生を振り返り、そして彼らの考えを取り入れる。上手く表現できないのだが、この一冊を読むことはこれまでの読書とどこか違うような気がする。「読む」という客観的なものとは違い、「参加する」という主観的なような…いや、これも違う気がするな。
『なにかを許したくないと思いながら生きる人生は寂しい。』『なにかを許せる人は優しい人だと思うんです。』私もいつか誰かを許して誰かに許されるんだろうか。そんな充実した幸せな人生を送ることが出来たなら、私は間違いなく「生きててよかった」と思えるだろう。
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