
悼む人〈下〉 (文春文庫)
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上巻ではやや無機質で浮世離れたした感のあった静人だが、下巻に来てそれまでの経緯が語られ、同時に「悼む」という彼の行為が何かが見えてくる。
本当の意味での平等な死とは何か?如何に全ての死に対して同等に悼む事ができるのか?
静人自身が考え悩み抜いた上で行われている彼の行為は死者や親近者にとっても意味があるのか、単なる偽善なのかを3者の視点で追い続け、各々の答えを導いていく。
そして3人の語り手による物語を経て、読者に対しても死との向き合い方を考えるように投げかけている。
とにかくテーマは重いが、著者の思惑通りに色々と考えさせるだけの余韻を十分に残してくれた作品だった。
そのテーマ性以外の部分でも、3人の語り手の物語が良く練り込まれている。3者の展開と視点とがテーマとがうまい具合で絡み合っている事で、読者へも作者の意図が伝わるよう作られている点は素晴らしいかと。。。
何よりも生と死が交差するラストシーンには驚嘆!ここまでの結末に持ってくる構成力は見事としか言いようがない。
…と、テーマの伝えるだけの表現力・文章力と共に小説としての緻密な構成力が見事に融合した秀作と言える!!



長い割に






















