
リバーサイド・チルドレン (ミステリ・フロンティア)
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2013年12月14日に更新
読書履歴
2013/12/14
328ページ
2013/12/12
150ページ
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よーぐると
Lv.122
素晴らしかった。舞台であるカンボジアの世界にのめり込んで一気に読み終えた。感傷的になってしまうほど残酷な世界観と、その中で展開される論理。連続殺人事件がメインではないと感じるがそれでもロジックの質は高い。半地下での推理なんて納得してしまった。
現実がどれほどのものかは分からないけど、それでもこの小説はカンボジアという国、あるいは全世界におけるストリートチルドレンの現状を強く訴えてくる。物語として、フィクションとして描かれている中に現実の数字が入る瞬間はとても残酷だ。一日ゴミを拾って稼いだ金がいくらになるのか、ナクリーはいくらで売春宿に売られたのか。そこに登場する数字は生々しくて、それでも確かに存在するものなのだろう。
色に関する描写が強く印象に残っている。ヴェニィのシャツの色、ナクリーの傘、それぞれがアイデンティティを示しているし物語が文字通りそれらによって彩られている。
扱っている題材が題材なのでいろんな感想が書けるが、純粋に物語として面白かったの。面白かった、って言い方は適当ではないかもしれないが。

TIM
Lv.191