内容紹介
書籍情報提供: Google Books
📝 レビュー (yuchanさんのレビュー)
読書履歴
短編集
救いがない。読んだ後、心に引っかかりが残る感じ。辻村さんは女性の暗いダークな部分を表すのが上手い。
人間の、特に女の嫌な部分満載。「泥棒」で、自分が思っている程相手は思っていなかったという苦さ。「放火」での人にどう思われるかと自意識過剰になるぐちゃぐちゃな気持ち。「逃亡者」でのうそで自分をどうにか保つところ。「夢と殺人」で夢と現実で揺れる気持ち。「誘拐」での育児ノイローゼ。どの話もどこか一部分は経験したことがあるような気がする。忘れたくて心の奥底に隠しておきたい部分だから、こうやってさらされるととても嫌な気分になる。心に残る本になるだろうから力がある作家なのだろう。この本は読み返すことはないが。
ここ何年かの辻村作品は面白く読んでいたけれど、でもヒリヒリするような痛さみたいのはなく、作品が成熟したのか、自分が鈍感になってしまったのか、もう文庫以外では買わないかなと思っていた。
(他の4篇はその印象と変わらないが、)でも「芹葉大学の夢と殺人」はそうとう凄かった。
個人的には著者の大人作品の中では圧倒的。子供ものに許される甘さも、思春期ものに特有の経年の後味の良さもなく、ただただ痛い。恥ずかしい。程度は違えど、その痛さや恥ずかしさは私の中にもあり、それは誰にも打ち明けることはないけれど、この作品を読むことで、初めて他者と共有されたように思える。
傑作だと思います。
これからもずっと著者の作品を手にとり続けるんだろうな。
息苦しくなる話が多かった。
図書館
短編。程度の差はあれど、どの話もみんな少し?不幸で、見事に後味が悪い。恋愛に関する心情の中でも決してプラスでない箇所がそのまま描かれているような印象で、イタくて哀しくて、自分の中にも彼女達と同じような感情があるだろうとチクチク刺されている気分になる。