AURA ~魔竜院光牙最後の闘い~ (ガガガ文庫 た 1-4)
この本の所有者
内容紹介
書籍情報提供: Google Books
📝 レビュー (aoitakuさんのレビュー)
優しくないけれど、逃げてばかりで立ち向かおうとしない人間を、どうして助けてやれるだろう?
……そんなお話です。
テーマ的なもの、その扱い方は、まさしく田中ロミオでした。
ネタバレします。
えー、ラノベ読者の皆さんは多分経験あるでしょう。おうちの押し入れに黒歴史ノートがまだ残ってるという人も結構いるでしょう。ぼくもそうです。ぼくは今でもときどき読み返したりします。結構ドキドキします。恥ずかしさもあるんですけど、そういう厨二的なものの魅力や引力に、惹きつけられる自分がいるのもまた事実。だから、セカイ系とかいうものを読みたいし書きたいとか思ってしまうんですよね。
今作は、そういうゲーム的リアリズムの中の住人なんてリアルにいたら電波でしかねーよというアンチテーゼの投げかけです。砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけないんですよね。これはどう考えても涼宮ハルヒの憂鬱へのアンチテーゼです。というか、話のプロットだけ抜き出してみれば、ものすごく類似してます。狙ってやってるとしか思えない。
しかしながら、ゲーム的リアリズムを真っ向から否定するようでいて、そういうイタさがあってもいいじゃない。いつかはそういうものと笑って向き合えるようになりたい、と、ちゃんと真っ向から対峙して行くところは、すごく好感が持てました。なるほど「ツンデレ」はお嫌いなんですね、わかります。
***
と、べた褒めにした後で、けど、今回の作品って、そんなにすごかったか?と言われると、どうしてだか首を捻るわけです。というのは、前述の通り、プロット自体は涼宮ハルヒの憂鬱のそれと大差ないです(というかアンチ涼宮ハルヒの憂鬱を狙ってやってるとしか思えないんであれなんですが)。違うのは設定やテーマで、それこそが作品の根幹をなしているんで、全く別の作品になってる。けど、むしろ、氏の作品の中ではかなり王道的なシナリオだと思います。すごくわかりやすい話でした。
作品の面白さがプロットの出来だけでは決まらない、ということも、よく示してるなぁと思うんですけどね。でなければ、ユメミルクスリのケットシーねここルートはもっと評価されてよいわけで。
ところでこれ、『人類は衰退しました』より、ラノベユーザ層への受けは強いんだろうなぁ、と思ったりしますが、うーん、もったいない。皆衰退楽しめてないんだなぁ。
ベクトルが違うんでなんともって感じですけど話の構成的には衰退の方がよく練り込まれてますよ。その分、わかりにくいですけどね。2巻のバナナとか。
***
さて、MVPですね。恒例です。
ぶっちぎりで佐藤良子、ついで小鳩さん。大島さんは最後はなんだか可愛いかんじでしたね。悪役を最後でああいうふうに扱うことで、憎めなくしてしまうあたりは、本当にやってくれる。あとお姉ちゃんかっこよす。久米さん素敵す。吉沢くん意外す。小鳩さんえろす。みんなよいよ! あとどりせんと厨二軍団うざす^^
衰退の合間にこれからもこういうラブコメ書いてくれそうな感じなので、次は電波なヒロインが七人くらい出てきててんやわんやするSF的なものを書いて欲しいですねそれなんてエロゲ。
***
主観を交えない、と書きましたが、いえ、経験があるからです。戦士症候群だった、というわけではないですよ。ただ、いじめられている人間にとって、自分が変わろうとすることこそが最大の解決、というのは、当事者でないと本当には分からない感覚かもしれません。
ただ、そういうシンクロ部分抜きにしても、この話は★5つでした。
ありがとうございました。
AIが見つけた似た本
「AURA ~魔竜院光牙最後の闘い~ (ガガガ文庫 た 1-4)」の書誌情報と、 この本を読んだ人の本棚から、 近そうな本を10冊見つけました
末代まで! LAP1 うらめしやガールズ (角川スニーカー文庫)
猫砂 一平
本当の“幽霊部員”が見えてしまったために俺は、末代まで祟られるハメになった―。幽霊たちの祟りの罠にはまり“心霊研”に入部することになった俺は、超スピードで疾走する“老婆走”の騎手に。パートナーは幽霊の...
紫色のクオリア (電撃文庫)
うえお 久光
自分以外の人間が“ロボット”に見えるという紫色の瞳を持った中学生・毬井ゆかり。クラスでは天然系(?)少女としてマスコット的扱いを受けるゆかりだが、しかし彼女の周囲では、確かに奇妙な出来事が起こっている...
さよなら妖精 (創元推理文庫)
米澤 穂信
「哲学的意味がありますか?」 一九九一年四月。雨宿りをする一人の少女との偶然の出会いが、謎に満ちた日々への扉を開けた。遠い国からはるばるおれたちの街にやって来た少女、マーヤ。彼女と過ごす、謎に満ちた日...
四畳半神話大系 (角川文庫 も 19-1)
森見 登美彦
私は冴えない大学3回生。バラ色のキャンパスライフを想像していたのに、現実はほど遠い。悪友の小津には振り回され、謎の自由人・樋口師匠には無理な要求をされ、孤高の乙女・明石さんとは、なかなかお近づきになれ...
夢・出逢い・魔性―You May Die in My Show (講談社文庫)
森 博嗣
20年前に死んだ恋人の夢に怯えていたN放送プロデューサが殺害された。犯行時響いた炸裂音は一つ、だが遺体には二つの弾痕。番組出演のためテレビ局にいた小鳥遊練無は、事件の核心に位置するアイドルの少女と行方...
世界は優しくない。
優しくないけれど、逃げてばかりで立ち向かおうとしない人間を、どうして助けてやれるだろう?
……そんなお話です。
テーマ的なもの、その扱い方は、まさしく田中ロミオでした。
ネタバレします。
えー、ラノベ読者の皆さんは多分経験あるでしょう。おうちの押し入れに黒歴史ノートがまだ残ってるという人も結構いるでしょう。ぼくもそうです。ぼくは今でもときどき読み返したりします。結構ドキドキします。恥ずかしさもあるんですけど、そういう厨二的なものの魅力や引力に、惹きつけられる自分がいるのもまた事実。だから、セカイ系とかいうものを読みたいし書きたいとか思ってしまうんですよね。
今作は、そういうゲーム的リアリズムの中の住人なんてリアルにいたら電波でしかねーよというアンチテーゼの投げかけです。砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけないんですよね。これはどう考えても涼宮ハルヒの憂鬱へのアンチテーゼです。というか、話のプロットだけ抜き出してみれば、ものすごく類似してます。狙ってやってるとしか思えない。
しかしながら、ゲーム的リアリズムを真っ向から否定するようでいて、そういうイタさがあってもいいじゃない。いつかはそういうものと笑って向き合えるようになりたい、と、ちゃんと真っ向から対峙して行くところは、すごく好感が持てました。なるほど「ツンデレ」はお嫌いなんですね、わかります。
***
と、べた褒めにした後で、けど、今回の作品って、そんなにすごかったか?と言われると、どうしてだか首を捻るわけです。というのは、前述の通り、プロット自体は涼宮ハルヒの憂鬱のそれと大差ないです(というかアンチ涼宮ハルヒの憂鬱を狙ってやってるとしか思えないんであれなんですが)。違うのは設定やテーマで、それこそが作品の根幹をなしているんで、全く別の作品になってる。けど、むしろ、氏の作品の中ではかなり王道的なシナリオだと思います。すごくわかりやすい話でした。
作品の面白さがプロットの出来だけでは決まらない、ということも、よく示してるなぁと思うんですけどね。でなければ、ユメミルクスリのケットシーねここルートはもっと評価されてよいわけで。
ところでこれ、『人類は衰退しました』より、ラノベユーザ層への受けは強いんだろうなぁ、と思ったりしますが、うーん、もったいない。皆衰退楽しめてないんだなぁ。
ベクトルが違うんでなんともって感じですけど話の構成的には衰退の方がよく練り込まれてますよ。その分、わかりにくいですけどね。2巻のバナナとか。
***
さて、MVPですね。恒例です。
ぶっちぎりで佐藤良子、ついで小鳩さん。大島さんは最後はなんだか可愛いかんじでしたね。悪役を最後でああいうふうに扱うことで、憎めなくしてしまうあたりは、本当にやってくれる。あとお姉ちゃんかっこよす。久米さん素敵す。吉沢くん意外す。小鳩さんえろす。みんなよいよ! あとどりせんと厨二軍団うざす^^
衰退の合間にこれからもこういうラブコメ書いてくれそうな感じなので、次は電波なヒロインが七人くらい出てきててんやわんやするSF的なものを書いて欲しいですねそれなんてエロゲ。
***
主観を交えない、と書きましたが、いえ、経験があるからです。戦士症候群だった、というわけではないですよ。ただ、いじめられている人間にとって、自分が変わろうとすることこそが最大の解決、というのは、当事者でないと本当には分からない感覚かもしれません。
ただ、そういうシンクロ部分抜きにしても、この話は★5つでした。
ありがとうございました。