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残り全部バケーション

残り全部バケーション

伊坂 幸太郎

この本の所有者

30人が登録
134回参照
2013年4月8日に更新

書籍情報

ページ数:
272ページ
参照数:
134回
更新日:
2013/04/08

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📝 レビュー (あおみさんのレビュー)

評価:
5/5
レビュー:
感想を書くのを忘れていて、読後から約一ヶ月が経過しているので、非常に曖昧、もしくは薄いものになっているかもしれないことを冒頭で弁解する。

やはり伊坂作品はこうでなくては。大胆な行動、ミステリアスな言動、そうしたユーモアを携えながら重々しい問題に立ち向かって行く。
本書は5作の短編から成っている。その中でも2作目の「タキオン作戦」が愉快痛快であった。ここでは虐待を斬新な方向から解決して行く。
タキオンという光を超えるスピードをもつ粒子が発見された。それが真実なら時間移動も夢ではない。こうしたことが新聞で騒がれる中、岡田は街中で鬱々とした表情の子供を見かける。話を聞く内に虐待に遭っていることが判明する。そこで閃いた珍案がこれだ。その子の父親に似た人物を探す。そいつに化粧を施し、10年後?から来たという設定で訪問させる。最初は全否定する父親であるが、上手く撮った写真や具体的な話をすることで父親は信じ込む。(ここらへんが感想としては薄い。この過程にも伊坂さんのセンスが輝く箇所がいくつもあるのに思い出せない…)
「そのまま虐待を続けていると、いつか将来今度はお前が息子から執拗な暴力を受けることになるぞ」という脅しが効いたのか、父親は凄みを失くし半ベソを書きながら引っ込んで行った。

その他にも3作目の「検問」や、5つ目の「飛べても8分」も楽しかった。

こんな奇想天外な展開、誰が思いつくだろうか。やはり伊坂さんの作品は安心して「楽しむ」ことができる。そして登場人物に恋い焦がれる程、会いたくなる。彼と話せたら、、こんな想像が自然と膨らむのはやはりこの作者の作品でしかない体験だ。



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