「やさしさ」と「冷たさ」の心理―自分の成長に“大切な人”を間違えるな (PHP文庫)
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自分は何のためにこの人と付き合おうとしているのか、自分のどのような欲求を満たそうとして自分は今この人と接しようとしているのか。
もしかすると、自分の劣等感からその人と接しようとしているかもしれない。そのような場合、接すれば接するほどあなたの劣等感は深まる結果になることが多い。
人との付き合いそのものを楽しめないから、どうしても損得が先にきてしまう。
小さい頃、あなたが何かに失敗した時、たまたまあなたのそばにいた人の眼を、どうして一生大切に自分のなかにしまっておく必要などあろうか。
あなたを見る新しい眼は、常にあなたの存在を肯定し、勇気づけ、尊敬し、愛すべきところに気づいている眼である。
地球上の全ての人が、あなたの弱点を笑ったのではない。たまたま情緒的に未成熟な一人の人間が、あなたの弱点を嘲笑し、からかったのだ。
自分は素晴らしい人生を送るに価しない人間であるという感じ方を、まず否定すること。そして、自分で自分にメッセージを与える。
他人に気に入られようと、どんなに自分を偽っても、あなたが本当に必要としているものは手に入らない。
相手に何をしてあげられなくても、相手は自分といたがっているという感じ方そのものを、自分の中につくりあげていくことが必要なのである。
心の底に「自分は人々にとって望ましい人間ではない」という感じ方を持っている人は、心の底で「自分は望ましい人間である」という感じ方を持っている人と接する事が大切である。
自分の自然な感情の流れに身を任せていても、自分は相手に受け入れられるのだ。それでいいのだ。そう心の底から感じられる時、心理的に解放されるのである。
相手は自分が解放されることを望んでいる。そう感じられるところに、心と心の結びつきがある。
自分のなかに自然に湧いてくる感情に身をまかせることで、人間関係は維持される。
実際の自分が多少卑怯である時は、そのまま相手に実際の自分を表現することができるのが、自己実現的人間関係。
自分があれば、どうやって付き合うかなどということを意識せずに、自然と付き合えるもの。健康な心と体を持った人なら、どうやって息をするかということを意識しないで、毎日呼吸をしている。それと同じである。
あなたはそんなに虚勢を張らなくても、ありのままの姿で十分に魅力的ですよと言って、その人を受け入れてくれる人。
人間が満たされるためには、自分そのものを受け入れてもらう必要がある。
われわれは、ついつい付き合いやすい人と付き合ってしまう。そのことで、より深く自分を傷つけてしまう。
自分を否定する人は、自分を否定する他者と付き合う。
実際の加害者をよそおい、実際の被害者は加害者と感じることを強要された。これが事実である。心の病いから回復するためには、きんじられた感情を解放することである。
自分を責めたり、自分をばっしたり、自分を卑下したりすることで、他人に立派は人と認めてもらおうとするようなことをやめる。
他人の不快感情に責任を持つ必要はない。
他人の褒め言葉はそのまま素直に受け取る。否定したくなったら、私は褒められるに価する。堂々と褒められていいのだ。と自分に言い聞かせる。
自分の行きたいところに行くのに、何も理由などいらない。行きたいからいく、それで十分である。
自分が楽しむことは、決して人を傷つけない。人間は楽しんでもいい。ただ、小さい頃「楽しむな」「仕事をしろ」というメッセージをあまりにも受けたので、人によっては楽しむことに罪の意識を感じる。
無意識に、ありのままの自分は他人にとって望ましい存在ではないので迫害される、と感じている人は、それを意識の上にのせるように努力する。
成熟した人との出会いを妨げるものは、歪んだ人間のイメージである。また歪んだ自分のイメージでもある。自分は他人に尽くさない限り、他人に相手にしてもらえないという自分のイメージである。
世間より高い規準に同調することができてはじめて、家族の成員として認められる。
家に対して所属感を持てなければ、その後それ以外の共同体に対しても所属感を持つことはできない。
人生は豊かであり、感動的である。それをひねくれたり、いじけたりして拒否しているのは、自分自身。
地獄に突き落とされた子供にとって、地獄からはいあがるより、地獄にいるほうがエネルギーを必要としない。一日一日は地獄にいるほうが安易である。だが、地獄で終わりである。
自分を頼りに生きようと本気で心がければ、あなたを愛してくれる人と出会えるかもしれない。しかし、自分を頼ろうとせず、捨てられる不安で生きるなら、あなたはいつも犠牲者になるだろう。
恋人や友達をつくりたければ、自分にウソをつかないこと。