内容紹介
書籍情報提供: Google Books
読書履歴
AIが見つけた似た本
「ボックス! 下」の文章スタイル、テーマ、内容を分析し、 類似度の高い本を10冊見つけました
私の男
桜庭 一樹
優雅だが、どこかうらぶれた男、一見、おとなしそうな若い女、アパートの押入れから漂う、罪の異臭。家族の愛とはなにか、超えてはならない、人と獣の境はどこにあるのか?この世の裂け目に堕ちた父娘の過去に遡る―...
ブルースカイ (ハヤカワ文庫 JA)
桜庭 一樹
西暦1627年、ドイツ―魔女狩りの苛烈な嵐が吹き荒れるレンスの町で、10歳の少女マリーは“アンチ・キリスト”に出会った...。西暦2022年、シンガポール―3Dアーティストの青年ディッキーは、ゴシック...
新訂 徒然草 (岩波文庫)
西尾 実
『徒然草』の面白さはモンテーニュの『エセー』に似ている。そしてその味わいは簡潔で的確だ。一見無造作に書かれているが、いずれも人生の達人による達意の文章と呼ぶに足る。時の流れに耐えて連綿と読みつがれてき...
若き天才アスリート達が高校ボクシングを通じて青春の苦悩、人生の選択と運命そして人間の才能について感じさせてくれる感動ストーリー。上巻は作者のストーリーテラーぶりに舌を巻き、下巻はフィナーレへ向けて心揺さぶられ続けます。電車の中で涙が止まらなくなりました(私の場合よくあることですがw)
才能、友情、選択、成長、自信、挫折、再生、努力、復活、運命、これらはサクセスストーリーには欠かせない要素だと思います。おそらくはこんなエキスがうまい具合にちりばめられ、スピーディーで感動的なハッピーエンディングへと読者を誘ってくれてるのだと思います。しかしこの小説のメインテーマは上記のすべてを備えながらも結末はお約束のサクセスストーリーではありません。
「たしかに才能というのは地下に眠る鉱脈・・実際にはほとんどの人が自分の中にすごい鉱脈が眠っているのに気付かんと一生を終えるんやと思います。」というくだりがありますが、作者は誰にでも天賦の才の可能性を感じさせていつの間にか作品世界に引き込んでしまいます。つまり多くの読者は高校時代に回帰させられてしまうのでは⁈
(ここからはネタバレ含みですが)
作者デビュー作の「永遠の0」に同じく、天才的な才能は結果的に草庵に埋もれてしまうわけですが、これはイコール不幸でない演出が心憎い!
主人公は自らの稀有な才能を生かしきれないわけですが、才能があり、努力して勝利と時の女神に微笑みを与えられ、ボロボロになるまで燃え尽きて多くの人々から賞賛されたものの、決して自ら望んだ訳ではない半身不随の厳しい余生を強いられる者とどちらが充実した幸福な人生であるのでしょうか?(そう言えば、昔のスポコン系は前者のパターン多いなぁ)これは当事者でないと決して理解出来ないことなのでしょう。才能があると信じて努力した人々がすべて報われるわけではない運命の非情と、報われなかった運命の先には不幸ばかりがあるわけじゃない救い。
可能性を信じて前に進み続けることの大切さは、多くの読者に感動を届けてくれるお話だと思います。
久しぶりに、人に紹介したい本に出会えた。登場人物と一緒に、共感し合えたような気持ちさえしている。素晴らしい作品をありがとう❗️