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国境事変 (中公文庫)

国境事変 (中公文庫)

誉田 哲也

この本の所有者

12人が登録
109回参照
2010年10月29日に更新

書籍情報

ページ数:
421ページ
参照数:
109回
登録日:
2010/10/27
更新日:
2010/10/29
所有者:
mak246 mak246さん

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内容紹介

新宿で在日朝鮮人が殺害された。“G4”の存在を隠匿しようとする公安は独自捜査を開始するが、捜査一課の東警部補は不審な人脈を探り始める。刑事と公安、決して交わるはずのない男達は激しくぶつかりながらも、国家と人命の危機を察し、銃声轟く国境の島・対馬へと向かう―警察官の矜持と信念を描く、渾身の長篇小説。
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📝 レビュー (mak246さんのレビュー)

評価:
4/5
レビュー:
在日朝鮮人の殺人事件を巡って、刑事と公安とが入り乱れての捜査。そして事件の背後には北朝鮮が見え隠れし、最後は国境線に近い離島である対馬へ舞台を移して、正にタイトルに偽りのない「国境事変」が繰り広げられていく。事件、人間模様、描写などのあらゆる面で骨太な作品だった。
因みに、予備知識がないままだったので、ジウシリーズのスピンオフだとは思わなかった。。。

基本的には刑事vs公安といったありがちな構図がベースとなって展開していくのだが、その中でも望まずして公安畑を歩むことになった川尻の背景や心情等の人物描写が丁寧で、事件が進む中で生ずる葛藤や摩擦、そして生き様みたいなものが非常に読み応えのある描き方をされている。その中でも更に際立っていたのが被害者の弟である英男で、刑事と公安、そして日本と北朝鮮との狭間に悩まされながらも自分の存在価値を求めて足掻く姿が印象的だった。

…しかし、若松親子は救われないなぁ、、、ホント。。。

物語の後半では銃弾が飛び交ったりしてエンターテイメント系に走ってしまった部分や、事件の真相部分ではちょっと腑に落ちない点もあったが、在日朝鮮人の扱いや偏見、北朝鮮絡みの事案といった部分では小説内の絵空事だけとは言い切れない生々しさを感じる作品だった。

読書履歴

2010/10/29 421ページ
2010/10/28 177ページ
2010/10/27 87ページ

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