
内容紹介

📝 レビュー (mak246さんのレビュー)
因みに、予備知識がないままだったので、ジウシリーズのスピンオフだとは思わなかった。。。
基本的には刑事vs公安といったありがちな構図がベースとなって展開していくのだが、その中でも望まずして公安畑を歩むことになった川尻の背景や心情等の人物描写が丁寧で、事件が進む中で生ずる葛藤や摩擦、そして生き様みたいなものが非常に読み応えのある描き方をされている。その中でも更に際立っていたのが被害者の弟である英男で、刑事と公安、そして日本と北朝鮮との狭間に悩まされながらも自分の存在価値を求めて足掻く姿が印象的だった。
…しかし、若松親子は救われないなぁ、、、ホント。。。
物語の後半では銃弾が飛び交ったりしてエンターテイメント系に走ってしまった部分や、事件の真相部分ではちょっと腑に落ちない点もあったが、在日朝鮮人の扱いや偏見、北朝鮮絡みの事案といった部分では小説内の絵空事だけとは言い切れない生々しさを感じる作品だった。
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